2010年06月22日

「シンフォニア」フェルナー

Category : CD(バッハ) | Comments (10)  

インヴェンションとシンフォニアに関してはあまり色々と聴き比べるつもりはなかったのに、またしてもお気に入りのCDが増えてしまいました。ティル・フェルナーの「バッハ:インヴェンションとシンフォニア、フランス組曲第5番」。

エフゲニー・コロリオフのシンフォニアも大好きなのですが、こちらは輪郭のくっきりとした鮮やかな音で隅々までかっちりと構築されているといった印象の演奏なので、時にはもう少し当たりの柔らかいものが欲しくなることがあるんですよね。その点、このティル・フェルナーの演奏はとてもまろやか。明るくて柔らかい綺麗な音が、さらさらと滑らかに流れていくという印象。テンポは全体的に少し速めですね。これだけを聴いているとあまりそんな風に感じないのだけど。そして、インヴェンションとシンフォニアと一緒に入っているフランス組曲の5番にも、このフェルナーの音はよく似合ってる気がします。というか、私が元々持っているこの曲のイメージにぴったりです。
フェルナーが尊敬しているピアニストは、師でもあるアルフレッド・ブレンデル、ブレンデルの師であったエドウィン・フィッシャー、ウィルヘルム・ケンプの3人で、最近のピアニストではピエール=ロラン・エマールに憧れているとのこと。ケンプを尊敬しているという時点で、私の中での点数が多少上がってしまうというのは正直あるんですが(笑)、まだまだ若いし、今後の活躍がとても楽しみになってしまうピアニスト。そしてフェルナーは平均律の第一巻も録音しているので、そちらもただ今注文中です。届くのが楽しみ。

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ティル・フェルナー(Till Fellner 1972年- )
 ウィーン生まれのピアニスト。
 1993年にクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝。
 1998年にウィーン・モーツァルト協会からモーツァルト解釈賞を授与される。
 2シーズン全7回に渡るベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会を行い高い評価を得る。



2010年06月19日

「子供の領分」ミケランジェリ

Category : CD(ドビュッシー) | Comments (10)  

「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」が、レッスンのたびに撃沈してる今日この頃。そんな時にこのCDを聴くと、さらに打ちのめされます…。これはミケランジェリのもの。「前奏曲集」第1巻の12曲と「子供の領分」6曲が収められています。
ミケランジェリの演奏は、完璧を期するためか一般的な演奏よりもテンポが遅いことがたびたびあるし、私にとってはそれがネックのことも結構あるんですよね。演奏そのものは好きだし、それだけしか聴かなかったら問題ないんでしょうけど、他のピアニストの演奏だってどうしても聴くことになるし、そうなると自分なりの適正テンポのイメージがつくわけで… そこから大きく外れているとツライのです。
でもこの「子供の領分」に関しては、十分適正テンポ内の演奏。速すぎず遅すぎず… というか、速いところは羽のように軽やかに速く、遅いところはゆったりと遅く。…となると、音へのこだわりを持った人の演奏だけに、この透明感がドビュッシーにぴったり。音の粒がなんて美しく揃ってるんでしょう! ほんと、どうやったらこんな風に弾けるのかしら。打ちのめされると分かっていても、それでも聴いてしまう私です。

ドビュッシーはそれほど大好きというわけではないので、普段はあまり聴かないのですが、曲の題名がとても素敵。前奏曲集の1巻は「デルフィの舞姫たち」「帆」「野を渡る風」「音とかおりは夕暮れの空気に漂う」「アナカプリの丘」「雪の上の足跡」「西風の見たもの」「亜麻色の髪の乙女」「とだえたセレナード」「沈める寺」「パックの踊り」「ミンストレル」… 絵画的というか、物語が生まれそうな題名ばかりですね。実際、「デルフィの舞姫たち」はルーブル美術館にある古代ギリシャ時代のカリアティード(女像柱)がイメージの源だそうですし、「パックの踊り」は、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」にも登場する妖精パック。アーサー・ラッカムの描いた挿絵にヒントを得ているようです。「西風の見たもの」はアンデルセンだし、「沈める寺」はフランスのブルターニュ地方に残る、海の下に沈んだイスの町の伝説からできた曲。物語ではありませんが、「音とかおりは夕暮れの空気に漂う」はボードレールの詩「夕べの諧調」の一節からとられた題名。…というのは、青柳いづみこさんの本から得た知識ですが。あーでも、青柳さんはミケランジェリの弾くドビュッシーはあまりお好きではないんですよね、確か。

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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(Arturo Benedetti Michelangeli 1920-1995)
  イタリアのピアニスト。
  1939年のジュネーヴ国際音楽コンクールで優勝、審査員長のアルフレッド・コルトーから
  「リストの再来」と賞賛される。
  レパートリーは、ベートーヴェン、シューマン、ショパン、ブラームス、ドビュッシーなど。
  ミスタッチの無い演奏を行う完璧主義者であり、そのためか演奏家としてはレパートリーが非常に狭い。
  演奏のためのコンディション作りにも拘り、コンサートのキャンセル魔としても有名。



2010年06月11日

レッスン日記34

Category : レッスン日記 | Comments (8)  
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なんて暑い! もうすっかり夏ですね。
先週結構ひどい風邪をひいていて、ようやく治ったとこなので、この暑さが身体にコタえます…

そしてバッハのシンフォニアの14番は、なんとか合格しました。良かったー。でも難しかったーーー。気をつけるのは、テーマを1つずつもっと歌わせること。曲の始まりはpだけど、これはそれほど小さな音ではなく、もっと楽しくうきうきした調子で。曲の最後はテンポが遅くならないように。バスを利かせつつ、もっとソプラノが栄光を歌い上げる感じで。
など注意がありつつも、なんとかマルがもらえて良かったです。バッハは好きだし、この曲もすごく好きなんだけど、どうやっても指が思ったように動いてくれないし、実はほとんど楽譜を見るのもイヤになってたんです。家で練習しながら「実はバッハ弾くのに全然向いてないんじゃ?」なんて思ったり…
なんて話を先生にしたら「そりゃあ、このレベルまできたら普通は毎日3時間は練習しないとねえ。そのうちの1時間はバッハで♪」ですって!! うーん、毎日3時間。そのうちバッハ1時間。いやー、それだけ時間が取れれば、喜んで練習しますけど!(どうしたってそんなに時間が取れないというのは、先生もよーくご存じなのでした)
そして11番も1回聴いていただきました。これは14番とは違って、切々とした悲しい感じの曲。1つ1つのモチーフの最初の音を大切にして、モチーフの中の続く音は微妙にディミヌエンドさせると、もっとモチーフのまとまり感が出るとのこと。

そこからハノンやらツェルニーやら芸大の生徒さんの練習方法の話になってしまって(どうやら青柳いづみこさんの生徒さんと最近話す機会があったらしい)、すっかり時間がなくなってしまったんですが…

ドビュッシーの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は、前回同様撃沈。これもほんと難しいなあ。いつまで経っても全然まともに弾けないー。もっと片手練習、部分練習を徹底的にしないとダメですね。右手と左手の質感を変えるとか、ここでガラっと情景を変えるつもりでとか、なんかそういうのが多くて、もうイヤん。でもこういうのがドビュッシーなんだな。で、一度曲を通して全部和音で弾いてみたら、もっと流れが身体で掴めるのではないかとのことでした。実際、先生が和音で弾いていってくれると、なんとも美しかったです。
それにしても「子供の領分」は6曲しかないのに、通して弾けるようになるのに1年ぐらいかかっちゃうかも!

ということで、次は3週間後です。間があくとダレやすいんだけど、シンフォニアで手付かずの5番と9番と13番もちょこちょこ練習し始めておこうっと。早くイタリア協奏曲がやりたいわ~。



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