2010年08月15日

バーンスタイン物語

Category : 音楽的催事 

誘われて「佐渡裕ヤング・ピープルズ・コンサートVol.12」に行ってきました。
佐渡裕さんは「題名のない音楽会」でもお馴染みの指揮者。今回は佐渡裕さんの師でもあるバーンスタインの没後20年ということで、「レナード・バーンスタイン物語」と題して、佐渡裕さんのお話とゲストの上海太郎さんの紙芝居付きのコントでバーンスタインを紹介していくというもの。

佐渡裕ヤング・ピープルズ・コンサートVol.12 レナード・バーンスタイン物語

主な曲目は
 コープランド:「市民のためのファンファーレ」
 ガーシュウィン:「パリのアメリカ人」より
 コープランド:「エル・サロン・メヒコ」
 L.バーンスタイン:「オン・ザ・タウン」より「タイムズ・スクウェア」
 L.バーンスタイン:「キャンディード序曲」
 L.バーンスタイン:「ディベルティメント終楽章」より
 L.バーンスタイン:交響曲第1番「エレミヤ」第2楽章より
 G.マーラー:交響曲第6番第4楽章より
 G.マーラー:交響曲第5番第5楽章より
 L.バーンスタイン:「ウェストサイド物語」より「マンボ」(アンコール)
 (これ以外にも、お話やコントの途中でさわりだけ、というのがいくつかありました)

金管楽器が大活躍するような賑やかな曲が多かったので、その辺りは本来の私の好みからはちょっぴり外れていたのですが、すごく溌剌とした雰囲気の楽しいコンサートでした~。佐渡裕さんの指揮もかっこいい! 特にジャズ系の曲をやる時の動きは、まるっきり踊ってるようで~。あのリズム感が素敵。指揮者ってそれぞれの楽器に指示を出して全体をまとめ上げるだけじゃなくて、曲を体現する人でもあるんですね。

佐渡裕さんご自身がバーンスタインの教えを受けてるということで、秘蔵写真なんかも交えてエピソードが次々に披露されたんですが、その中で特に面白かったのは、ユダヤ人のバーンスタインがユダヤ教の祈りのリズムを取り入れて作曲していたという話。それが例えば「3拍子3拍子3拍子2拍子」みたいな変拍子なんですね。ユダヤ教のお祈り、どんな感じなんでしょう。聞いてみたいなあ。あと、ボストン交響楽団の100周年記念のために作曲したという「ディベルティメント」なんですが、終楽章では、オケのメンバーが全員立ち上がって歩きだしちゃうんです! もちろん演奏は続いたまま。なんと「のだめ」のSオケの元祖がここに?! って感じで、すごく楽しかったです。すごいエンターテイメント。

行く前に曲目だけ見ていて、コープランドもガーシュウィンもアメリカの作曲家だからバーンスタインとの繋がりは分かるような気がするど、なぜマーラー?なんて思っていたんですが、その理由も分かりました。今でこそ全世界で演奏されるようになったマーラーですが、当時やむしろ敬遠されていて、バーンスタインがその良さを一早く見抜いて演奏したことによって全世界に広まったんだとか。うーん、知らなかった。でもって、コープランドもガーシュウィンもバーンスタインもロシア系移民のユダヤ人、マーラーも活動こそウィーンが拠点ですが、やっぱりユダヤ人。中村紘子さんの本に、音楽家として成功するための必要条件は、スラブ系であること、ユダヤ系であること、神童と言われてきた人、みたいなことが書かれてたと思うんですが、やっぱりユダヤ系の音楽家って多いですねえ。

We ♥ L Bこの「ヤング・ピープルズ・コンサート」は、もっと子どもたちにもクラシック音楽に親しんでもらおうと色々工夫されてるコンサートで、客席は子供連れがいっぱい。(でも大人もいっぱい) 客席の子供が実際にステージに上がって実際に楽器を弾いて(吹いて)みたりなんてこともあったらしいです。今回のコンサートは、それに比べると今までで一番大人向けだったみたいですが… 確かに「レナード・バーンスタイン」という題材自体、子供には分かりづらいものがありますよね。だからこそ、元気な曲が中心に選曲されたってことなんでしょうね、きっと。楽しかったです。来年も行けたら行きたいな。そして右は会場でもらった缶バッチ。バーンスタインの似顔絵ですね。「y.s.」のサインがあるから、やっぱり佐渡裕さんが描かれたのでしょうか~。可愛い~。

Comments (2)

  1. yoshimi

    アリアさん、こんにちは。

    佐渡さんは自伝『僕はいかにして指揮者になったのか』を書いてますが、バーンスタインやミンシュも登場したりして、日本人指揮者の伝記ものでは読みやすいです。

    時代が違うので、小澤さんの『ボクの音楽武者修行』ほどの凄さではないですけど、コンクールのところは特に面白かったです。
    コンクールの課題が詳しく書いてあって、楽器の世界とは全然違うのがよくわかります。

    ユダヤ系のピアニストなら、すぐに思いつくのは、シュナーベル、ゼルキンやバレンボイム、アックスでしょうか。
    ナチスに追われて米国へ渡ってきたシュナーベルとゼルキンは、シュナーベルは欧州のようには聴衆に受け入れられなかったはずですが、ゼルキンの方はなぜか人気があって、米国では室内楽ではなくソロ中心に変わりました。

    当時米国に亡命してきたユダヤ系音楽家は、クレンペラー、ワルター、シェーンベルクなどをはじめ、かなり多かったようです。
    ユダヤ系音楽家に関する歴史書もいくつか出ています。シェーンベルクは、十二音技法の曲が米国では評価されないことや、クレンペラーやワルターが演奏してくれないことに不満を持っていたとか、欧州と米国の音楽界の違いなどもわかって勉強になりました。

  2. アリア

    yoshimiさん、こんにちは。
    なんと佐渡裕さんの自伝が出てたんですか!
    それは知りませんでした。ぜひ読んでみたいです~。
    今回聞いたバーンスタインとのエピソードだけでも十分面白かったし
    他にも知ってる名前が登場するとあれば、ますます楽しく読めそう。
    (指揮者については、ほとんど名前程度しか知らないのですが)
    あ、小澤征爾さんの「ボクの音楽武者修行」も面白いですね。
    小澤さんがどんどん道を切り開いていく(そして着実に切り開かれていく)のが
    まるで小説の中の出来事のようで、でも本当のことだというのがスゴイ…
    それだけ才能が突出してたってことなんでしょうけど
    書いてるご本人はいたって普通な感じなので(もちろんやる気は満々ですが)
    かなりびっくりしました。
    小澤さんの受けた指揮者コンクールの課題についての話も面白かったし~。
    「のだめ」の作者は、この本もきっと読んでるんだろうなって思いましたよ。
    ほんと楽器とは全然違うんですね。必要とされる能力の広さもケタ違い!
    佐渡裕さんのコンクールの話を読むのも楽しみです♪

    ユダヤ人のピアニストといえば、ホロヴィッツやアシュケナージも…
    あ、その2人はナチスに追われて米国に渡ったわけではありませんが…。
    第二次世界大戦中に米国へ渡った音楽家は相当多そうですね。
    「戦場のピアニスト」も観てない私は、その辺りはあまり知らないのですが…

    日本では「欧米」とヨーロッパとアメリカを一括りにしてしまいがちですが
    そこには実はものすごく深い溝、というか違いがあるんでしょうね。
    アメリカにいる白人は、元々はヨーロッパから来た人たちなわけだから
    改めて考えてみると、ちょっと不思議な気もするんですが
    それでもやっぱりアメリカにはヨーロッパのような長い歴史と伝統はないわけで。
    今回のコンサートで取り上げられたコープランドも
    ヨーロッパとアメリカにおけるクラシック音楽の伝統の違いを痛感して
    そこからアメリカらしい音楽を模索し始めたという話でした。
    その辺りのことも色々読んでみると面白そうですね。

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