2010年09月20日

「子供の領分」アース

Category : CD(ドビュッシー) 

これはフランスの女流ピアニスト、モニク・アースの「月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集」。「ベルガマスク組曲」「ピアノのために」「夢」「夜想曲」「ロマンティックなワルツ」「映像第1集」「映像第2集」「2つのアラベスク」「レントより遅く」「喜びの島」「亜麻色の髪の乙女(前奏曲集第1巻)」「沈める寺(前奏曲集第1巻)」「ミンストレル(前奏曲集第1巻)」「水の精(前奏曲集第2巻)」「花火(前奏曲集第2巻)」「版画」「子供の領分」の全34曲が収められた2枚組です。フランス人ピアニストの弾くドビュッシーを聴いて、フランスの香りを感じよう!企画・第4弾。

このCDは、実は私が一番最初に購入したドビュッシー盤なんです。随分前のことになりますが、何かの関係でドビュッシーのCDを聴こうとした時にお店で選んだのがコレ。ドビュッシーの主要曲が網羅されてます。そして後で知ったのですが、このCD、amazonでの評判がすごくいいんですね。柔らかく暖かな音色、スタンダードであまりクセのない、ドビュッシーらしさの感じられる演奏、というのが主な評価のよう。他のピアニストのドビュッシー盤に比べてレビューがダントツで多いんですけど、モニク・アースって、もしかして日本で一番広く愛されているドビュッシー弾きさんなのでしょうか。実際聴いてみても、暖かみのある音色で親しみやすい演奏だと思います。テンポ的にも速すぎることがないし。あまりクセがない分、強い個性というのも感じられないんですが、「ドビュッシー」と聞いて想像する演奏がここにあるぞという感じ。もっとも現実のドビュッシーという人は、綺麗な曲を書く割に相当アクのある人だったようなので、もう少し何かがあってもいいかなという気はしますが… 悪くはないんだけど、今の私には正直どこか物足りない部分も残るかな。とは言え、入門編には適したCDだったと思います。
今回モニク・アースについて調べていて初めて知ったんですが、第一次大戦後に教育を受けたフランス人ピアニストは、基本的にロマン派は学んでいないんだそうですね。自国の音楽を大切にしようという風潮もあるでしょうし、感覚的なフランス音楽と論理的なドイツ音楽の気質の違いもあるでしょうけど、敵性音楽だったというのが一番大きかったみたい。ちょっと驚きました。

上のCDは抜粋盤でしたが、「ピアノ作品全集」もあります。2枚組が2つで、4枚で全曲。この2つはフランスADFディスク大賞を受賞したCDなんだそうです。(下左2つ) でもこの2つをセットで買うんだったら、下右のボックスセットの方がいいかも。こちらは似たような値段でラヴェルの全曲演奏集(2枚)もついてきますしね。モニク・アースのラヴェルピアノ作品全集がまたamazonで評判いいんですよねえ。やっぱり愛されてるんだなあ。(ボックスセットは全6枚組)

  

*****

 
モニク・アース(Monique Haas 1909-1987)
  生粋のパリジェンヌ。
  パリ音楽院でラザール・レヴィに師事、さらにルドルフ・ゼルキン、ロベール・カサドシュにも学ぶ。
  世界中で演奏活動を行い、特にドビュッシー以降の20世紀音楽の演奏で名声を得る。
  主なレパートリーはフランス・バロック音楽のフランソワ・クープランやジャン=フィリップ・ラモー
  ドビュッシーやラヴェルといった近代フランス音楽、あとはバルトーク・ベーラなど。

Comments (2)

  1. yoshimi

    アリアさん、こんにちは。

    アースのドビュッシーは、HMVや米amazonではさほど人気はなさそうなんですけど、なぜか日本のamazonでは大人気なのが不思議ですね~。
    昔からの定番で国内盤にしては安いせいか、小さなCDショップでも時々見かけます。

    私もアースは少し前に試聴しました。
    ベロフは”明晰”だと感じますが、アースは”明快”で不可思議さや曖昧な雰囲気はちょっと薄いかなという印象でした。
    テンポの速い曲(運動、雨の庭、ピアノのためにやベルガマスクとか)だと、タッチと音が硬く表現がやや直線的になるように感じたのもあって、残念ながら(またしても…)、好みに合わずパス。
    最後まで聴けば印象も変わるのかもしれませんが…。

    ベロフの新盤も試聴どまりだったんですが、アースかベロフを選べといわれたら絶対ベロフ。
    好みにぴったりというわけではないですけど、やっぱり面白いところはたくさんありますから。それに硬質のクリアな音がとっても綺麗だし。
    さっきベロフの新盤をまた試聴してみたら、「運動」や「雨の庭」とかは結構面白いんですよね。
    そう考えると、ベロフの全集も欲しいなあ~と思い始めてしまいました。そのうち買ってしまいそう…。

  2. yoshimiさん、こんにちは。

    ほんと、日本のアマゾンではすごい人気ですよね。
    ネットを検索していても好意的な意見が圧倒的でした。
    でも、そこまでの魅力というのは、私には正直よく分からないです…
    音の美しさという意味では、もっと上の人がいるし
    失礼なことを言ってしまえば、無難な演奏というか何というか。
    その分、入門編には向いてると思ったんですけどね。(値段もお手頃だし)
    例えばワイセンベルクを入門編にしてしまったら
    その人のドビュッシー観はまた全然違ってしまうと思うので~。(笑)

    あ、yoshimiさんは入門者のレベルをとっくに超えてますから!
    物足りないものが残っても不思議はないです。

    ベロフはやっぱり音がとても綺麗。切れもいいし。
    「運動」や「雨の庭」といった曲はあまり聴きこんでなかったんですが
    改めて比べてみると、もう全然違いますね!
    アースの音はちょっともこもこしてるように感じられました。

    あ、でもね、アースの演奏は「古き良きフランス」かなあとも思うのです。
    映画でいえば白黒の時代、女優さんたちが本当に美しかった頃の。
    そんなノスタルジックな魅力なのかなあと思ったりもします。
    それに対してベロフの演奏は、今どきのピアニストだなあという感じ。

    という私も、全集はやっぱりベロフを選びますが~。
    アースは、今持ってるので十分。
    ベロフも最初は合わないと思ったはずなのに(最初聴いてたのは旧盤ですが)
    いつの間にやら、すっかり気に入ってしまったようです。(^^ゞ

Copyright© 2008-2012 Aria, all rights reserved * Powerd by WordPress