2011年04月25日

「フランス組曲」ケンプ

Category : CD(バッハ) 

ただいまレッスン中のフランス組曲。3番の次は5番に決まったということで、早速です…!
フランス組曲全曲が入ったCDはあまり持ってないのですが、5番だけが入ったCDなら沢山あるんです。その中でも一番好きなのはコレ。ヴィルヘルム・ケンプの「バッハ名演集」。収められているのは「イギリス組曲第3番」「カプリッチョ 最愛の兄の旅立ちにあたって」「トッカータとフーガ」「フランス組曲第5番」。

「CDジャーナル」データベースには「この録音が行なわれたのはケンプが80歳の頃で, まだ度々来日して公演していた。小生も何度か生の演奏に触れ, 決して悪い印象は残っていないが, 今こうして当時の演奏を音だけで聴くのはかなり辛いものがある。一言で言えば技術の衰えが限度を越えている。」とあるようなんですが。
少なくとも「フランス組曲」に関しては、技術がそんなに酷いとは思えないです。それどころか私はとても好き。優しくて暖かくて軽やかで、とても素敵な演奏だと思います。アルマンドは私の好みよりも微妙に速めなのですが、それでも十分許容範囲内だし、自由な緩急が心地いいのです。右手と左手のバランスが絶妙なのか、それぞれに綺麗に聞こえてきて、聴くたびに右手に聴き入ってみたり、左手に聴き入ってみたり。あ、もちろん右手と左手がバラバラという意味ではなく… 右手も左手もそれぞれに歌いながら、親しく寄り添っているという印象なんですね。古い録音なので、たとえばコロリオフのようなクリアな音の美しさというのはないのですが、その分、とても柔らかく包みこんでくれるような気がします。こういう風に聴かせてくれるのって、技術ももちろん大切な要素の1つだと思うんですけど、決して技術だけでないのでしょうね。むしろ技術を超越したところにあるような気がします。
バッハのCDを色々聴くようになって、好きなピアニストは何人もできたけれど、ケンプの演奏を聴いていると、やっぱりヴィルヘルム・ケンプという人はいいなあ、特別好きだなあ、と改めて思うのでした。(とは言っても、ケンプとの出逢いはベートーヴェンだったのですが!)

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Comments (2)

  1. yoshimi

    おひさしぶりです~。
    私もケンプのフランス組曲、とても好きですよ。
    技術的な衰えを感じる人は、昔のケンプのテンペラメントの強い演奏を好む人なのかもしれませんね。
    タッチと音色の美しさは、晩年の方が磨きがかかっていますね。
    技巧的なイギリス組曲第3番の方は、タッチが柔らくて力感が弱く感じます。かっちりとした構築的な演奏が好きなので、聴き比べたりしたら、ちょっと気になりますけど。
    フランス組曲を聴き直してみると、アンデルジェフスキやガヴリーロフとは違った穏やかさと親密感がありますね。揺りかごのなかで子守歌を聴いているような安心感を感じます。
    この雰囲気は晩年のケンプ独特。他のピアニストでは絶対聴けないところでしょうか。

    この頃、すっかりベートーヴェンモードになっていて、バッハを聴く時間が少なくなってます。
    でも、ヴェデルニコフのパルティータのCDを最近手に入れました。
    シンプルですが格調高くて、評判どおり素晴らしいものです。全集版ではマイベストになりそうです。
    Youtubeで第1番とかが聴けます。いつかパルティータを弾くときにご参考に。
    http://www.youtube.com/watch?v=tk-yiFIiDGw

    それから、また1人、良いピアニストを見つけました。
    メルニコフ。なぜかロシア人ピアニストは、好みに合う人が多いです。(同じく、全然合わない人も多いですけど)
    ショスタコーヴィチとベートーヴェンのヴァイオリンソナタのCDを買いましたが、音の色彩感が豊かで響きもとても綺麗です。
    ダイナミックレンジも広くドラマティックな演奏ですが、恣意性は感じさせず、説得力のある演奏をする人です。
    http://www.youtube.com/watch?v=2RR0dTY32tU

  2. アリア

    yoshimiさん、お久しぶりです!
    とは言っても、ブログはいつも拝見してるのですが~。^^

    ケンプの演奏は大好きです。いいですよねえ。
    プロのピアニストなんだから、技術的なものが求められるのも当然なんでしょうけど
    あの音の美しさは本当に得がたいものですよね。
    確かにイギリス組曲の方は、他と比べると少し弱い感じもしますけど…
    元々とても歯切れよく弾くのが似合う曲ですものね。
    まあ、これに関しては、若い頃の方が良かったのかもしれないですね。
    それでもケンプの演奏だけ聴いていれば、気にならない私です。(いいのかそれで 笑)
    今回、アンデルジェフスキやガヴリーロフと、フェルナーと改めて聴き比べて
    やっぱりケンプ!と惚れ直してしまいました。

    そしてヴェデルニコフのパルティータの1番、聴いてきましたよ。
    いいですねえ。背筋がすっと伸びるような演奏ですね。美しい~。
    パルティータに関しては、まだ当分やらないだろうというのもあって
    あまりCDを持ってないんです。ペライアのは買ってるんですけどね。
    でももう1つぐらい欲しいし… その時はヴェデルニコフにしようかな!
    教えて下さってありがとうございます。

    今の時点ではメルニコフはまだ聴いてないんですけど
    こちらも後でまた聴いてみますね。楽しみです~♪

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