2011年12月08日

児玉姉妹のデュオピアノ

Category : 音楽的催事 

The 167th Subscription Concert先月のアントネスさんに続き、今月もシンフォニーホールで行われた日本センチュリー交響楽団の定期演奏会に行ってきました。児玉麻里さんと桃さんという姉妹のピアニストを迎えての公演。会場の入りは8~9割ってところでしょうか。

曲目は
 プーランク: 2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 ニ短調
 バンテュス: シネマ・ラプソディー(2台のピアノのための協奏曲)
 ショスタコーヴィチ: 交響曲 第6番 ロ短調 作品54

今日の席は2階席の一番前。招待券なので場所は選べなかったんですけど、バランスがとてもいい席でした。先日のパーヴォ・ヤルヴィとフレイくんの時も2階でしたが、あれはやっぱりちょっとパイプオルガン寄り過ぎましたね…(その代わりパーヴォ・ヤルヴィの指揮がものすごく楽しめたのだけど) 今日の席は舞台に近くて、しかもオケとピアノの音もいい感じで聞こえてきて良かったです。

まずは2台ピアノの曲を2つ。今日のプログラムの中で予習をしていったのはプーランクだけだったんですが、これ、すごく楽しかったです。2人のピアノの音がすごく綺麗に溶け合っていたし(アシュケナージ父子は、途中から持ち直したものの、やっぱりちょっとバランスが悪かったよ) 演奏を見てたら、まるで児玉桃さんの背中からリズムが立ち上ってくるような気がしました。(桃さんが手前だったのです) ものすごくお洒落で華やかで、ちょっぴり猥雑なところもあるプーランク。あと、女性ピアニストの演奏ってあまり生で観たことがなかったのですが、お2人とも女性らしさがありつつも、むしろすごくオトコマエな感じ! きっとお2人ともすごく捌けたお人柄なのではないかしら、なんて想像してしちゃう。
そしてバンテュスの「シネマ・ラプソディー」では、お2人は席を交代。今度は麻里さんがこちら側。これはお客さんへのサービス… ではなくて、単に第1ピアノと第2ピアノという担当の問題なんでしょうけど、私としてはお2人とも正面から見られて嬉しかったな~。
この曲は世界初初演ということで予習のしようもなかったんですけど、こちらも楽しかったです。これは無声映画の時代から電子音楽が導入される前までの映画音楽に触発されて作られたという作品のようです。楽章に分かれているのではなく、曲は途切れずに続いていくんですけど、でも「The Very Beginning」「The Early Years」「The Poursuit」「Belle époque」「Les Années Folles」「The Dark Years」「The Last Romantic Era」「Golden Age」「Adventures」というタイトルがついていて、今はこのタイトルかな、なんて聴きながら想像するのも楽しかった。なんで英語とフランス語が混ざってるのかは定かではありませんが… なぜかしら?(それと、世界初演ということは作曲家さんご自身もいらしてたんですかねえ。それらしき人は見かけなかったけど)

最後はショスタコーヴィチの交響曲6番。これは全然予習していかなかったんですけど、面白い曲ですねえ。まず第1楽章が暗くて第2・3楽章が明るいというのからして、あまりないパターンですよね。(私が知らないだけ?) それもかなり極端な明るさなんです。最後の方なんて、もうまるっきりどんちゃん騒ぎみたい。プログラムに「鬱、躁、躁、というべき構成」とあって納得してしまいました。ええと、曲の好き嫌いは別として(嫌いというほどではないんですけど、どうも慣れなくて 笑) 指揮の沼尻竜典さんは勢いに乗ってるし、オケは大熱演してて先月よりぐんと良かった気がするし、これはなかなか良かったのではないでしょうか。すごい拍手でした。(しかしパリ管と比べてはいけない 笑)

今日はソリストもオケもアンコールなし。定期公演だからオケのアンコールがないのは分かるんですけど、児玉姉妹のピアノがもう少し聴きたかったです。ミヨーの「スカラムーシュ」の第1楽章なんかやってくれたりしないかな、なんて思ったのだけど。(そんな曲、アンコールではしない?) でもアンコールがあるのに慣れてしまってますが、ない方がきっと普通なんですよね… だんだん贅沢になってます。ダメダメ。(笑)

Comments (4)

  1. yoshimi

    アリアさん、こんにちは。

    プーランクのピアノ曲は楽しいですね!お洒落で諧謔なところが好きです。
    2台のピアノの協奏曲の方は、第1楽章はネジの外れたラヴェル風(?)のようで面白いですね~。
    第3楽章のちょっとお茶目で諧謔なところがプーランクらしいです。
    2台のピアノに比べて、人気がもう一つ(らしい)のピアノ1台の協奏曲は、第1楽章の哀愁漂う主題がとても綺麗です。

    独奏曲なら、即興曲の《エディットピアフを讃えて》は有名だと思います。この曲、好きなのです。
    http://www.youtube.com/watch?v=67SKQ9d3UGU

    そういえば、村上春樹が『意味がなければスイングはない』でプーランクについてエッセイ書いてました。
    ”日曜の朝のプーランク”とかいうタイトルだったと思います。
    コンチェルトはともかく、独奏曲は休日の朝に聴くにはぴったり。

    バンテュスの《シネマ・ラプソディー》、とても面白いなタイトルなので、聴いてみたくなってきますね!
    そのうち、NAXOSあたりがCDを出してくれないかなと期待してます。

    「Belle époque」は、特定の時代を表す用語なので固有名詞的によく使われてますし、「Les Années Folles」も、「Belle époque」と対比して使われるそうなので、セットのようなものです。
    「アール・ヌーボー」や「アール・デコ」も同様で、当時の芸術的風潮を現す固有名詞のようになってます。
    タイトルにフランス語と英語が混在していても、欧米人には違和感はないでしょう。

  2. アリア

    yoshimiさん、こんにちは。

    プーランクはいいですねえ。現代の作曲家らしいところもありつつ、
    軽快でお洒落だったり、メロディがとても綺麗だったり。
    「エディットピアフを讃えて」も美しい曲ですね。田部京子さんのイメージにもぴったり。
    今度ピアノ1台の協奏曲も聴いてみますね。
    私が一番馴染んでるのは「村人たち」なんです。これは子供向けの作品なんでしょうね。
    とても可愛らしくて大好きです。村のどんな場面なのかなーって色々想像しちゃいます。

    あ、村上春樹といえば!
    先日「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を読んだんです。
    これがね、ものすごく面白かったんですよ~。
    読みやすくてするすると読めちゃうから、1日で十分読み終えてしまいそうなんですけど
    読み終えるのが勿体無くて、無理矢理時間をかけて読んでしまいました。(笑)
    yoshimiさんも機会があればぜひ~。
    今度、「意味がなければスイングはない」読んでみますね。

    それともう1つ。この映画はご存知ですか? 来年公開なのでご存知かな。
    http://www.piano-mania.com/
    調律師が主人公だそうなんですけど、ピアニストもいっぱい登場するんです。
    エマール、ランラン、ブレンデル、ティル・フェルナーも! かなり豪華キャストです。
    これは絶対観に行こうと思って~。
    先日聴いたエマールの「フーガの技法」がとても良かったので、尚更楽しみです。

    「Belle époque」は固有名詞だと知ってたんですけど「Les Années Folles」もでしたか。
    それは知りませんでした。そうだったのですね~。
    あと「The Poursuit」の「Poursuit」もフランス語だと思うんですけど
    これも特定の何かを表す固有名詞なんですね、きっと。

    あ、yoshimiさんのところに書き込もうと思ってそのままになってたのですが
    私のピアノの先生、ドビュッシーはベロフで聴いてらっしゃるようです。
    その頃ベロフのCDが置いてあるのを見ました。旧盤の方でしたが。

  3. yoshimi

    アリアさん、こんにちは。

    「The Poursuit」は見落としてました。確かにフランス語ですね。
    映画史ではベルエポック期がちょうど初期の頃ですから、それ以前の時代で「Poursuit」という区分は映画にはありませんし、産業・文化史にもないようです。
    単語そのものも固有名詞的なものではないので、たぶん普通名詞でしょう。
    映画史初期の頃は、映画製作のための装置・フィルム・撮影方法などの技術開発が盛んだったため、それを「Poursuit」と表現したのかもしれません。
    当時は、フランスのリュミエール兄弟やヴェルヌなどフランス人が活躍していたので、フランス語を使ったのではないでしょうか。
    後年、映画の中心が米国・ハリウッドへ移ると英語タイトルを使ってますし、作曲家がフランス人なので当時の映画界はフランスが中心だったという感覚なのかも。
    推測が多いので、作品解説を読めば正確な曲の意味がわかるでしょうが、作曲者のホームページでもまだ公開してないですね。
    世界初演ということなので、出来立てほやほや(?)の曲なんでしょうね。

    「小澤征爾さんと、音楽について話をする」と「ピアノマニア」、両方とも知りませんでした。
    このごろ、本も映画も、アンテナが鈍っていて…。
    本の方は評判良いですね!
    発売されたばかりなので、早速、本屋さんで探してみます。

    「ピアノマニア」は、観る人も「ピアノマニア」に違いないですね~。
    地味な音楽ドキュメンタリーなので、ミニシアター向きです。
    エマールがメインらしいですが、ブレンデルと弟子のフェルナーも出てくるのが良いですね。
    最近ブレンデルの録音をよく聴いているので、タイミングがぴったり。
    上映期間がかなり短かいようですが、1~2週間くらい?
    上手く予定が合うと良いのですが…。
    そのうちDVDが出るのではないかと期待したいです。
    いろいろ教えてくださって、ありがとうございました!

    それから、先生はベロフの旧盤がお好きなのですね~。
    どうもあれは耳に痛くて…。私には新盤の方が聴きやすいです。

  4. アリア

    yoshimiさん、こんにちは。

    「The Poursuit」、調べてくださったのですね!
    映画史上にも産業・文化史上にもそれらしい単語はありませんでしたか。
    「Poursuit」は英語の「continue」に当たる「poursuivre」の三人称のことですかね?
    そうだとしたら「それに続く時代」という程度の意味かな、なんて思ったりもします。
    実際、その時代にフランス人が活躍していて、フランスが映画の中心だったのなら
    それもあり得ることかもしれないですよねー?

    村上春樹さんの本と「ピアノマニア」、ご存知ありませんでしたか。
    それなら、少しお役に立てたようで良かったです。^^
    本は私の周囲でもとても評判がいいですし(と言うと期待させ過ぎてしまうかもですが)
    映画は、飛行機内の上映で観たという方がいらして、とても良かったと仰ってました。
    (ドイツ語での上映だったそうなので、細かい部分はさっぱりだったそうですが)
    ふふ、そうですね。こんなの観たがる人こそがピアノマニアかも。(笑)
    でもそうなんですよ、上映期間が問題で。
    私も予定が合うかどうか自信がないので、DVDになってくれるのを期待してます。

    ベロフの旧盤は、私も耳にツラいです… ちょっと鋭すぎる感じなんですよね。
    新盤ならそんなことなく聴けるのですが。
    レッスンの時はなかなかCDの話などをする時間がないのですが
    (1時間は、本当にあっという間!)
    先生とそういうことも色々お話してみたくなっちゃいます。

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