2012年03月02日

「フランス組曲」ガヴリーロフ

Category : CD(バッハ) 

アンドレイ・ガヴリーロフによるフランス組曲全曲盤です。2枚組。

ガヴリーロフといえば、右のショパンのエチュード盤をご存知ですか?
これがねえ、ものすごいんですよー。すんごいスピードで弾き飛ばしているトンでも盤。気分はギネスに挑戦。人間の限界に挑戦。当時の私はショパンのエチュードはポリーニでしか知らなかったので、もう本当に聴いててひっくり返りました… 以前、クラシック(だったかショパンのエチュードだったか)で聴き手を爆笑させられるのはガヴリーロフだけだ、という文章を読んだことがあるのですが、これには本当に深く深く頷いてしまいます。まさにそれ。もうひっくり返るしかないです。しかも私が聴いた盤には、最後にバラードが2曲収められていたんですよね。これはエチュードがあんまり速く終わってしまって時間が余ってしまったからに違いないです…
とは言っても、スピードはものすごくても技術的にはきちんとしているのがまたすごいんですけどね。当時はその人間離れした超絶技巧ぶりにノックアウトされただけで終わってしまって、彼自身のピアノにまで注意がいかなかったですよ…(でもアレを聴かされたら、それも無理なかったと思う…)

そんなガヴリーロフの演奏も、もう二度と聴くこともないだろうと思っていたのですが。(すみません)
yoshimiさんに教えて頂いて平均律の演奏を聴いたのが1年ちょっと前でしょうか。髪型も服装もあららどうしちゃったんでしょう? おぼっちゃん風だったのがすっかりヒッピー風になり、外見だけでもかなりの変化。そして演奏もまるで違っていました。もうびっくり。内省的ですごく深みのあるバッハなんです。
一体彼に何が…? (いや、実際いろいろあったようです)


Bach – WTC I (Andrei Gavrilov) – Prelude & Fugue No. 1 in C Major BWV 846

You Tubeを探せば平均律の映像はまだあるんですけど、CDは残念ながら未発売。

そして私が買ったのはフランス組曲のCD。(やっと本題に戻ってきたぞ) これがまたとても素敵なのです。繊細だったり、優雅だったり、しっとりとしていたり、時には力強かったり、くるくると違う表情を見せてくれるフランス組曲の良さが十二分に表現されている演奏。全体に共通してるのは、柔らかい音の響きも音楽の流れもとても美しいということでしょうか。すっかり私の中では定番となりました。(だからこの記事ももっと早く書くつもりだったんですけども)
このCDを聴くと、あまり興味を引かれなかった2番や6番も「なんだ結構素敵な曲じゃないの」になります。(笑)

ただ、この人の演奏は基本的にテンポが速いので、練習し始めの頃に聴くのにはあまり向いてないです。ある程度弾けるようになるとそれほど速いと思わなくなるんですけどね。最初はほんと全然弾けないので、私。(笑)

*****

 
アンドレイ・ヴラジーミロヴィチ・ガヴリーロフ(Andrei Gavrilov 1955年9月21日 – )
  ロシアのピアニスト。
  1974年、19歳でチャイコフスキー国際コンクールで優勝。
  同年、ザルツブルク音楽祭でスヴャトスラフ・リヒテルの代理を務める。
  レパートリーはバッハやショパン、リスト、ラフマニノフ、ラヴェル、プロコフィエフなど。
  中でも「ラ・カンパネッラ」や「イスラメイ」のようなヴィルトゥオーソ向けの曲を得意としている。

Comments (2)

  1. yoshimi

    アリアさん、こんにちは。

    記事中でご紹介くださってありがとうございます。
    ガヴリーロフ、このところあまり聴いていなかったので、またフランス組曲を聴きました。
    彼の音は柔らかくて綺麗だし、ペダルをたくさん使っていても濁らず、流れるように美しい演奏ですね!
    ショパンのエチュード弾いた人とは本当に別人です。
    彼の演奏なら短調の方が好きなので、特に第1番が気に入ってます。第2番(第3番も)良いですね。

    「聴き手を爆笑させられるのはガヴリーロフだけだ」…どこかのウェブサイトで書いてましたね。
    確かにその通り!エチュードのあの猛スピードは凄すぎます~。
    それに全ての音がきっちり弾けているところも凄い。
    表情はいろいろ付いてますが、ブルドーザーなみに突進していくせいか、速いテンポの曲はちょっと大味な感じはしますね。
    でも、同じく速いポリーニはタッチがきつくて耳に痛いですが、ガヴリーロフは音が太めの丸みがある音なので、圧迫感は感じません。
    リヒテルがヘンデルを一緒に録音していたくらいなので、ガヴリーロフの音楽性を評価していたのでしょう。

    Youtubeに2004年のガヴリーロフのリサイタル映像がありますが、Op.10-4は相変わらず速いです。昔よりもまだ速いかも。
    彼の感覚では、あれくらいのスピードが適正なのでしょう。
    でも、さすがに若い頃よりは指回りが悪くなっているようで、ちょっともつれ気味のところも…。力感・量感がちょっと薄くなっているような気もします。
    ライブ映像なので余計にそう聴こえるのかも。

    You Tubeの平均律の元の映像は、たぶんDVDで出ている分です。(確認できてませんが)
    このDVDは、ガブリーロフ以外の映像も収録されているので、価格が高めですけど。
    とにかく無事にカムバックできて何よりです。
    過去の経緯があるので、DGなど大手レーベルは契約しないでしょうが、新譜を出している元気なマイナーレーベルは多いですから、またレコーディングして欲しいですね。

  2. アリア

    yoshimiさん、こんにちは。
    勝手にお名前を出してしまいました~。

    ふふふ、ほんとあのショパンのエチュードとは別人ですよね。
    今もエチュードのCDはあるみたいですけど、
    私が聴いたようなバラードとセットになってる盤はもうないみたいです。
    貴重でした!(笑)
    2004年の10-4の演奏、You tubeで見てきましたよー。
    ほんと、ものすごい速さですね。
    ペダルを踏んでないところは足が引っ込み気味でなんか可愛い。(笑)
    でも確かに指回りはあんまりよくなくなってるみたいですねえ。
    音と音の繋がりがバラバラしてて、全体にもこもこもふもふした感じ…
    ヴィトルオーゾもいいんですが、これではちょっと勿体ないかなあ。
    なんだか曲芸のように感じられてしまいます。
    ほんの少しスピードを落とせば、もっと音楽的にできそうなものなのに
    本人の中では、これはこういう曲なんだろうなあ…

    それに比べてバッハの美しいこと。
    ショパンの後だと、尚更うっとりしてしまいます。
    平均律のDVDはあれですね、他のピアニストも登場する2枚組の!
    http://www.hmv.co.jp/product/detail/3825481
    ガヴリーロフが演奏してるのはアート・ギャラリーとなってるし
    あのがらんとした空間は、確かにそれっぽいですね。
    You Tubeにある平均律の演奏も12番までだったはずだし。
    可能性としてはとても高いですよね。このDVDも見たくなってしまうなあ。
    フランス組曲の1番も本当に素敵ですよね。
    短調では、私は元々1番が一番好きなのですが(曲として)
    ガヴリーロフの1番はもう本当に文句のつけようがありません。
    バッハ、もっといろいろCDに録音してほしいです。
    もうバッハだけでいいぐらい。
    って、ご本人はそれじゃあイヤでしょうけど。(笑)
    これからもぜひ頑張っていただきたいものです。

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