2012年06月02日

エフゲニー・ボジャノフ

Category : 音楽的催事 

エフゲニー・ボジャノフ兵庫芸術文化センターで行われたエフゲニー・ボジャノフのリサイタルに行ってきました。

曲目は
  ショパン: 舟歌 嬰ヘ長調 op.60
  ショパン: ピアノソナタ第3番 ロ短調 op.58
  (休憩)
  シューベルト: 12のドイツ舞曲(レントラー) D.790
  ドビュッシー: レントより遅く(ワルツ)
  ドビュッシー: 喜びの島
  スクリャービン: ワルツ 変イ長調 op.38
  リスト: メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」 S.514

アンコールは
  ショパン: 華麗なる大円舞曲 op.18
  シューベルト=リスト: セレナーデ
  ショパン: 英雄ポロネーズ Op.53

エフゲニー・ボジャノフは、今28歳(だったかな?)のブルガリア人ピアニスト。2008年にロシアのリヒテル国際ピアノコンクールで優勝、2009年にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで入賞、2010年にはエリザベート王妃国際ピアノコンクール2位、同年のショパンコンクールでは4位… などの実績が華々しい若手ピアニストさんなんですけど、実は私はそれほど知らなかったんです。でもネット上ではこの「ボジャ」が結構な評判になっていて、なんだかとても面白そう。これは一度聴きに行ってみるかなあ、と。すみません、そんな動機で。
彼が芸術文化センターで演奏するのは、確か2回目。去年、佐渡裕さんとベルリンドイツ交響楽団の公演のソリストに抜擢されて、全国ツアーを行っていたんですね。その時のチケットは軒並み売り切れだったし、評判も良かったはず。その時にファンになったらしき方も客席に大勢いました。(要するに上品なおばさま方が多かった)

で、今回のリサイタルなんですが。
最初は客席から聞こえる咳が気になって気になって… もうほんとなんでみんなあんなにおおっぴらに咳をするの?!って思っちゃうほど、あっちからもこっちからも。咳だけでなく鼻をすする音まで。今回私の席が舞台から遠かったこともあって、もう気になって気になって全然集中できなかったですよ… ショパンの舟歌はすっかり邪魔されてしまって本当に残念。ようやく集中できるようになったのは、ショパンのピアノソナタの第2楽章辺り。でもこの第2楽章のスケルツォの部分が、本当に羽のように軽やかで素敵でした。音もとても綺麗。なだらかに第3楽章に入っていく部分もすごく好みだったし、第4楽章もハジけててカッコ良かった。佐渡さんに選ばれるだけあって、全体的に動作が大きくてエネルギッシュな印象なんですけど、そのエネルギッシュさが単なるパフォーマンスじゃないのがいいですね。体内のパワーが有り余ってるからピアノでこまめに発散しておかないと後が大変、って感じはしましたが。(笑)

後半はシューベルトのドイツ舞曲から。この曲を聴いたのは初めてだったんですけど、これがとても可愛らしい曲集。なかなかいいですね、これ。すっかり気に入ってしまいました。続くドビュッシー2曲も良かった。「レントより遅く」はやっぱりいい曲だ~。また練習したくなっちゃいましたよ。ボジャノフの音の綺麗さがすごく生かされてました。アンニュイな魅力で、とっても大人なドビュッシー。そして「喜びの島」も大人なドビュッシー。「レントより遅く」では終始紗がかかっているような色合いだったんですが、こちらは時折その紗がめくれあがって下の鮮やかな色彩が覗いてくる感じ。私は今回のリサイタルでは、このドビュッシーの2曲が一番好きだったです。(というのは、我ながらちょっと意外でしたが)
スクリャービンのワルツもシューベルト同様初めて聴いたのですが、素敵な曲ですね。この方、ガタイがいいお姿からは意外ですが、実はワルツ(舞曲)系がお似合い?
そして、リストのメフィストワルツは普通の演奏とは少し違う感じ。よく耳にするメフィストワルツよりもゆったりと始まり、結局最後までテンポは微妙に遅めのまま。でももちろん盛り上げるところでは十分盛り上がってドラマティック。日頃耳にするのは腕試しのようにすごいテンポで弾き切る演奏が多いので、なんだかとても新鮮でした。そんなメフィストワルツで盛り上げてきたところに、アンコールでまた畳みかけるように盛り上げて。英雄ポロネーズを弾き終えた時の拍手がすごかったです。

日本では6公演あって、芸術文化センターのはAプログラム。Bプログラムはベートーヴェンのピアノソナタ18番、ショパンのマズルカとワルツを3曲ずつ、リストの「エステ荘の噴水」「ダンテを読んで」「オーベルマンの谷」「歌劇「ファウスト」からのワルツ」という曲目。私はAプログラムで十分満足でしたが、ファウストのワルツだけは聴いてみたかったですねえ。きっとボジャノフの魅力炸裂!なんでしょうね。すごく似合いそうです。

Comments (4)

  1. アリアさん、こんにちは!

    わたしも行きました!
    なんとなく、アリアさんいらしてるような気がしてました。(笑)
    去年のヤン君にも行きましたし、嗜好が似ているのかな(^^)

    わたしは左バルコニーにいましたが、ほんと皆さん咳が
    ひどかったですね。
    ソナタの途中まで、なかなか集中できなかったです・・・

    彼は素晴らしかったですね。
    またブログに書きたいと思いますが
    フロレスタンとオイゼビウス、その両方に欲望をもっと足したような
    そんな感じでした。シューマンは1曲も弾いていなかったのに。(^^)

    「喜びの島」素敵すぎて、わたし不覚にも涙してしまって、
    スクリャービンのワルツに入っても、まだ引きずってました。

    Bプログラムも聞きたいですが、遠征は無理かなあと思います。(^^;

  2. アリア

    わあー さりさんもいらしてたんですね!
    去年のヤンくんもいらしてたとはー。今年もいらっしゃいます?
    ふふふ、嗜好が似てるのなら嬉しいですねえ。
    好きな作曲家が似てても、演奏の好みってまた少し違う話ですものね。

    左バルコニーなら、席も結構近かったはずです。
    私はバルコニーではなかったのですが、左の方でしたから。
    でもほんと咳のがすごかったですよね…
    携帯の音とか飴の包みをあける音こそ昨日は聞こえなかったのですが
    途中でペットボトルのお茶か何か飲んでる方もいらっしゃいましたよ…(吃驚)

    でも演奏は素晴らしかったですね!
    もっと近くで観たかったなあとは思うのですが、もう十分楽しかったです。
    フロレスタンとオイゼビウス、なるほど~
    「喜びの島」は、情熱が赴くままに弾くこともできるんでしょうけど
    そうではなかったですよね。いや本当に素晴らしかったと思いました。
    抑え気味の演奏で、でも抑えきれずにほとばしり出てくるものがある感じ…
    音もとても綺麗でしたね~

    今日は琵琶湖だったんですよね。
    知ってる人が今日行ってて、そちらも素晴らしかったようです~
    ファウストのワルツ、聴きたかったな~~

    さりさんのレポートも楽しみにしてますね。^^

  3. アリアさん、こんばんは。

    演奏会三昧のご様子でうらやましいです。
    にしても、スクリャービン来てますねぇ!
    やっぱ、没100年にはムーブメントがくるかもしれないと
    ほくそ笑んでますよ。
    とはいえ、オールスクリャービンってプログラムだと
    お客が入りそうにないんですけどねww

    あ、今ごろなんですが、リンクさせていただきましたm(__)m

  4. アリア

    檀さん、こんにちは。

    スクリャービン、きましたよー!
    ドビュッシーに続いて流れるように始まって、途中からどんどん盛り上がって
    リストへの繋ぎも完璧って感じのプログラムでした。
    オールスクリャービン、やりたいピアニストさんもいるでしょうね。
    営業的にはちょっと難しいのかもしれないけど…

    …どこかでスクリャービンという文字を見るたびに
    檀さんを思い出す、パブロフの犬状態の私です。(笑)

    あ、リンクありがとうございます。
    こちらからはとっくの昔にしておりました… すみませんすみません。
    ブログの下の BlogPeople のところです。

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