2012年11月17日

ピエール・アンタイ

Category : 音楽的催事 

Pierre Hantai兵庫芸術文化センターの小ホールで行われたピエール・アンタイさんのチェンバロ・リサイタルに行ってきました。フランス出身のチェンバロ奏者。フランスということは、チェンバロというよりクラヴサンと言った方が相応しいのでしょうか。グスタフ・レオンハルトの後継者と称されてる方なんだそうです。

プログラムは
 フローベルガー: 組曲ト短調
   (アルマンド・クーラント・ジーグ・サラバンド)
 ヘンデル: 組曲第一番 イ長調 HWV426
   (前奏曲・アルマンド・クーラント・ジーグ)
 バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV988

アンコールは
 バッハ: 小プレリュード ニ短調
 バッハ: イギリス組曲 第4番プレリュード

以前チェンバロをちょこっと弾かせてもらったことはあるのですが、実はチェンバロのリサイタルに行くのは初めて。家でもチェンバロのCDってあまり聴かないんですよね。CDのチェンバロの音ってなかなかじっと聴いていられないんです。きっとCDという媒体がチェンバロに向いてないのだろうと思ったのですが… まあ個人的な好みもありますよね、もちろん。
そんなこんなでチェンバロは生に限ると勝手に決めつけていたので、初チェンバロ演奏会を楽しみにしてました。演目もゴルトベルクだし!

アンタイさんは楽器を離れると普通の冴えない(失礼)オジサンなんですが(フランスの方ですが、フランス語よりもドイツ語の方が似合いそうなイメージなのはなぜ) ひとたびチェンバロの前に座ると指が回る回る… すごいです。超絶技巧な方だったのですね。躍動的たっぷりに疾走する演奏に分厚い音、弾いてらしたドイツ製のチェンバロ(ホール備え付けのものでしょうか?) がとても良く響いていたこともあって、なんともゴージャスな音でした。すっごいですねえ… すっかり圧倒されてしまい、前半だけで、頭の中がアンタイさんの音楽の奔流でパンパンに。

…だったのですが、やっぱりゴルトベルクは良かったです~。特にアリア。音数の多い分厚い曲よりも、音数の少ないゴルトベルクのアリアの方が音の美しさが際立つみたい。とてもとても美しくて、私好みでした~♪
そしてゴルトベルクだけでももう満足、おなかいっぱいだったのですが、アンコールもありました。バッハ2曲。いやでもバッハの曲だったのは嬉しいんですけど、指のまわりが凄過ぎてイギリス組曲がイギリス組曲に聞こえなかったですよ… 激しくて力強い演奏でした。これでもかってぐらいアンタイさんの音楽を見せつけられちゃいました。

あ、それで。
ちょっと驚いたんですけど、フローベルガーではサラバンドが最後なんですね。バッハだとサラバンドは真ん中辺りで、締めは必ずジーグ。なのでそれが慣例なのかと思っていたのですが、こういう順番もアリだったのですね。
そしてそのサラバンドの曲が、バッハでよく聴くようなゆったりとしたテンポの曲ではなくて、これがジーグと言われれば信じてしまいそうな激しい曲だったんです。こういうサラバンドもあったのですねえ。
なんて書いていたら思い出したんですけど、サラバンドって元々はスペイン植民地で人気があった激しいダンスで、スペインで禁止されたほどだったんでしたっけ。フローベルガーさんのサラバンドは、もしかしたらその原型に近いものだったのでしょうか。

本当は艶やかなピアノの音の方が好きなんですけど、生で聴くチェンバロの音もいいものですね。
やっぱりチェンバロは生に聴くに限ります。(笑)

Comments (6)

  1. 今日は楽しかったですねー。
    ありがとうございました!
    帰ってから組曲の形式について少し調べてみましたよ。NAXOSのライブラリによると、フローベルガーのチェンバロ組曲やパルティータは40ほど。終曲はサラバンドかジーグで、半々の割合。サラバンドで終わる組曲は珍しくなかったみたい。
    で、Wikipediaのフローベルガーの項にこんな説明が…

    「フローベルガーは、しばしばバロック時代の組曲の創始者とみなされている。フローベルガーの作品によって、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4つが組曲には欠かせない構成舞曲として確立されたとされるからである。ただし、ジーグの位置については議論もある。フローベルガーの自筆譜では、ほぼすべての場合において、ジーグは2曲目におかれているが、後のバロック時代の作曲家の組曲では、ジーグは終曲におくことが普通だからである。こういった組曲の形式は、フランスのリュート音楽の影響が色濃い。」
    (http://ja.wikipedia.org/wiki/フローベルガー)

    へええー、でした。気づいたアリアさん、さすがです!
    NAXOSで探すと、他にイギリスのヘンリー・パーセル(1659年生)も終曲にサラバンドをよく使ってたようです。逆にヘンデルは完全にジーグで終止。
    でもって、今日疑問だった、サラバンドの曲調なのですが…こちらは解決せず…。
    組曲ト短調、↓のアルバムの第9番のようなのですが、サラバンドはゆるりとした演奏で、今日聴いたのと同じ曲とは全く思えません(笑)。
    http://ml.naxos.jp/album/AM148
    ついでにフランスのリュート曲やらイタリアルネサンス期の曲やらも探してみたのですが、サラバンドはやっぱり音数がシンプルでゆったりとした曲が多かったです。
    ライブラリをうろうろするうちに綺麗な曲をたくさん見つけられて良かったんですけど(笑)、今日のはアンタイさんのアレンジがかなり入っていたのかもしれません。
    アンタイさんのは民族舞踊を思わせる演奏ともかけ離れていて、かなり知的に構築している印象を受けました。

    というわけで、長々と失礼しました。
    また何か聴きにご一緒しましょう♪

  2. アリア

    典さん、こんにちは。
    こちらこそ楽しかったです! ありがとうございましたー。

    おおお、調べられたのですね。典さんこそ素晴らしい。
    私は「フローベルガーかー全然知らないなー」で終わっておりましたよ…(ダメダメ)
    そうか、フローベルガーはバロック時代の組曲の創始者と言われる方だったのですね。
    それならまだ組曲の形式がきちんと定まってなかったというのも分かるし
    サラバンドが最後にきていたのにも納得がいきます。
    ジーグが最後というのは、その後ゆるゆると定まっていったものということなんですね~。
    きっとゆったりしたサラバンドよりも、ジーグの方がしまりがいいと後の人々も感じたに違いない…
    と私が思ってしまうのは、既にバッハを聴きすぎているせいもあるのでしょうか。(笑)

    フローベルガーのサラバンド、ありがとうございます。早速聴いてきました。
    ほんと全然ちがーう!
    この曲がなんであんな感じになったのか… 思いっきり音数が多かったですよね。
    やっぱりアンタイさんのアレンジなんでしょうかねえ。それにしても雰囲気が違いすぎ…
    アレンジするにしても、普通原曲の曲調ぐらい残しておきませんかね?(笑)
    いや、きっと簡単には計り知れない何か深い意味があったに違いないですね。(本当か?)

    うん、民族舞踊っぽさは全然、これっぽっちもなかったですね。
    バロックの他の組曲同様、舞曲という形式だけで実際踊れるものではなかったです。
    ということで、原曲に近い説は却下しておきます。(笑)

    そうですね、また何かご一緒させて下さいね。
    次は何があるかしら… ちょっと先のことになっちゃうかもしれませんね。
    また面白そうなのがあったら教えて下さい♪

    そうそう、昨日言ってたコパくんが出てる動画なんですけど、コレです。
    18分ぐらいからです。なかなか楽しいので一度見てみてくださーい。^^
    http://www.youtube.com/watch?v=X-3PuIvpHn8

  3. きゅうる村

    おお、フローベルガー!やさしいインベンションの二番目に出てきます。なんといっても、17世紀の人ですから、バッハとはだいぶ違いますよね。
    私は夏にゴルトベルクを生で聴きました。楽譜を見ていたら、ちゃんと一段と二段の指定があるんですね。
    でも、まだチェンバロの響きになれません。録音でも生でも。すぐ聴き疲れてしまうんです。困りましたね。

  4. アリアさん、こんにちは

    アンタイ行ってきたんですねー
    行こうと思ったんですけど
    他の用事で行けないのでチケットは取らなかったんです。

    私もチェンバロの音はすごく好きというわけではなく
    (朝から聴きたくないし(汗))
    ピアノやオルガンの音の方が好きです。
    チェンバロは単独で聴くよりも
    ソナタや協奏曲など他の楽器と共に聴くのがいいなと思います。
    とはいえ、生で聴くのはいいですよね^^

  5. アリア

    >きゅうる村さん

    フローベルガー、ご存じでしたか。
    プレインベンションの楽譜を見てみたんですが、何も載ってませんでした… 残念。
    フローベルガーが1616年生まれ、バッハが1685年生まれ、70年ほど違うんですね。

    チェンバロは撥弦楽器だから、ピアノとはやっぱり全然違いますよね。
    聴き疲れてしまうの、よく分かります。という私もまだまだ慣れてないのですが
    慣れたらまただんだんに良さも分かってくるかなあと思ってます。

  6. アリア

    >のんさん

    のんさん、こんにちは。
    はい~ アンタイさん行ってきました。
    のんさんは今回は無理だったのですね。それは残念。
    ゴルトベルクのアリアは、もうほんとお聞かせしたかったですよん。

    でも、のんさんもチェンバロはそれほどお好きではないのですね。
    やっぱりピアノの方がいいですよねえ…(というピアノ弾きさんは多そう)
    実はバッハのボックスに踏み切れない一番大きな理由がチェンバロでねえ…
    鍵盤曲はほとんどチェンバロでしょう? あれがねえ。

    あ、そうですね、他の楽器と共に聴くのは良さそうですね!
    チェンバロ協奏曲でも室内アンサンブルでもいいなあ。
    今度、サロンコンサートみたいなのに行ってみたいです。^^

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