2012年12月02日

インゴルフ・ヴンダー

Category : 音楽的催事 

インゴルフ・ヴンダー京都の青山音楽記念館バロック・ザールで行われたインゴルフ・ヴンダーくんのピアノリサイタルに行ってきました。今年の7月に行われたルーカス・ゲニューシャスくんのリサイタル(記事)とセット。2010年のショパンコンクールの2位の2人ということですね。

曲目は
  スカルラッティ: ソナタ ロ短調 K.87 L.33
  モーツァルト: ピアノ・ソナタ第13番 変ロ長調 KV.333
  ショパン: 子守歌 変二長調 op.57
  ショパン: バラード第1番 ト短調 op.23
  ショパン: バラード第2番 ヘ長調 op.38
  コチャルスキ: 幻想的ワルツ ホ短調 作品49
  ラフマニノフ: 10の前奏曲 op.23より 第5番ト短調
  スクリャービン: 12の前奏曲 op.8より 第12番嬰ニ短調「悲愴」
  モシュコフスキ: 8つの性格的小品 op.36より 第6番「花火」
  ホロヴィッツ: 変わり者の踊り
  リスト: 死のチャルダーシュ

アンコールは
  ドビュッシー: ベルガマスク組曲より 月の光
  リスト: 愛の夢第3番

頻繁に来日しているインゴルフくん。今年の4月にもいずみホールで行われたリサイタルに行ってきたところなのに(記事)、年内にまた聴くことになろうとは思いませんでした。この後も、来年の1月末~2月にはNHK交響楽団との共演(ショパンのピアノ協奏曲第1番)、5月にはウィーン交響楽団との共演(ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番)が決まってるようです。忙しいなー。
この秋の来日では、先日いずみホールで大阪フィルハーモニー交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番もやっていたのですが、そちらは行けず、京都でのリサイタルに行くことになりました。11月にCDがリリースされたところで、そのCDのお披露目ツアーだったんですね。

このCD、amazonの商品の説明に

若きピアニスト、インゴルフ・ヴンダーのセカンド・アルバム。「素晴らしいピアノ曲を紹介したい!」というヴンダーの情熱から生まれた企画。ピアノ音楽、ピアノ技巧300年(2012年時)の変遷を辿り、その魅力を探る作品。時代や国によって違う音楽言語のバラエティの豊かさ、有名曲、知られざる名曲も収録。華麗な選曲は、ホロヴィッツへのオマージュでもある。

とあるように、バラエティに富んだ選曲。なんせCDにはスターウォーズのメインテーマまで入ってるんですから! しかもその編曲者にインゴルフくんの名前も入ってるし!(びっくり)
きっとクラシックに留まらず幅広いジャンルの音楽が好きな方なんですね~。
ということで、今回のリサイタルもバラエティに富んだ選曲となりました。

ただねえ、やっぱりここのホールは音がものすごく響くんですね。舞台の上の音もですが、客席の音も。前半はどうも客席の雑音が気になって仕方なかったです… 後半も飴の包みをあける音がもうほんと泣きたいぐらい響いてたし。
もう、みんなこのホールの響きをもっと自覚して、事前にきちんと準備しようよ! 飴の包みを開けるなら開演前や休憩時間に! 途中でプログラムを見たくなるかもしれないのなら、先に開けておく! 途中でプログラムを開いて、内側を外にして折り直すのもNG!

でもね、そんな風に響くホールなのに、いざ演奏が始まってみると、音がどこかちょっと籠った感じに聞こえたんです。なぜなんでしょうね。最初は、始まったところだからかなあなんて思ってたんですけど、それにしても長かったし。後半のショパンのバラードやラフマニノフ、スクリャービンのような曲のフォルテッシモの部分ではちゃんと突き抜けて聞こえたのですが、その後また籠った感じになってしまったし。もしかして弱音があまり響かないピアノなのでしょうか。それとも演奏者の意図的なこと? ペダルの踏み方の関係なのかな? でもソフトペダルは確かに踏んでいるのが見えましたが、そんなずっと踏みっぱなしだったなんてことはないでしょうしねえ。(それほどはっきり観察できる位置ではなかった)
その辺りはちょっと分からなかったんですが ホールの元々の響きの良さの割に、今一つ音が響かなかったのがとても不思議。私の席の関係もあるのかもしれませんが、前回いずみホールで聴いた時の方が音が美しく感じられました。それが少し残念。

なんていうのはあったのですが。
スカルラッティを聴きながら、この人がバッハを弾くといいだろうなあと思ったり… ソプラノとアルトの音がほんと全然違うんですよねえ。(って当たり前なんですが) その音質の違いを聴きながら、きっとポリフォニックな曲を美しく弾きこなしてくれるだろうなと思いました。モーツァルトもとても心地よかったし。ショパンに関しては、ご本人もお好きなんでしょうし、ショパンコンクールで2位だったというのもあって、プログラムにはやっぱりショパンを入れなくちゃいけないんでしょうけど(お客さんにもショパンは人気でしょうし) 古き良きといった風情の正統派の演奏をする方なので、バロックと古典を中心に弾いていくというのもいいかも~と思いました。
とはいえ、この人が弾くショパンは好きなんですけどね。バラード2曲も子守唄も好きな感じ。私がそういう風に思えるショパンの演奏って、実はなかなかないのですが。
あと好きだったのは、モシュコフスキの「花火」。これは面白い曲ですね! 初めて聴きましたが、いっぺんに好きになっちゃいました。それとホロヴィッツの「変わり者の踊り」も Jazzy な感じが楽しかったです。この「変わり者の踊り」とリストの「死のチャルダーシュ」は前回行った時にアンコールで聴いたので2回目ですが。

今回は前回と違って手が見える位置で、指の動きが面白かったです。特に最後の音を弾く時。ぐるぐるして止めるの。まるでヴィヴラートをかけてるみたい。面白いなあ。4歳の時からヴァイオリンをやっていて、ピアノに転向したのは14歳の時だそうなので、その関係もあるのかもしれないですね。そして最後の音が消えるまで、最後の最後まで聴き届けていたのもとても印象的。ペンネさんが仰ってた「音のしっぽ」を思い出しました。

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