2012年06月23日

ルネッサンスの宗教曲

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hemelsa今回は検索して辿りつかれたら困るので、具体的な団体名や曲目を書きません… 右側のパンフレットをクリックすると別画面で大きくなるので、それで見てみてくださいねー。

ということで、アカペラの合唱を聴きに行ってきました。
3部構成で、第1部のテーマは「祈り」。第2部はイギリスの歌。16世紀にイタリアで発達した多声世俗歌曲「マドリガーレ」がイギリスに伝わって独自の発展をみせたもの。そして第3部ではまた「祈り」に戻ってきます。

いやもうなんて美しい! これはもう天上の歌声ですね。ソプラノ2名、アルト4名、テノール2名、バス4名。低いパートがとても効いていてすごく素敵。…というのは、私が元々男性の低いパートが好きだというのも大きいんですけど…(笑) 本当に天鵞絨のような滑らかさ。合唱といえばウィーン少年合唱団が有名ですが、あんな風に見た目も天使のような少年たちが美しい歌声を聴かせてくれるのは、よく似合っていて、なんというか全然違和感がないと思うんです。でもこちらはごくごく普通の見かけの方々。日本人。熟年率高し。それだけに、歌声の美しさとのギャップが大きくてもうびっくり。(というのはなにげに失礼ですかね… すみません)

プログラムで一番印象に残ったのは、宗教曲。第2部のイギリスの歌も軽快で可愛らしくて(でも歌詞にはちょっとした含みがあってにやり)楽しかったんですけどね。やっぱり好きだったのは宗教曲。元々好きなんです。特にアヴェマリア。今回、7曲のアヴェマリアがありました。若干の違いはあるものの、基本的には同じような歌詞です。

これが基本の歌詞。「天使祝詞」と呼ばれる祈りの言葉です。

   Ave Maria, gratia plena,
   Dominus tecum,
   benedicta tu in mulieribus,
   et benedictus fructus ventris tui Jesus.
   Sancta Maria mater Dei,
   ora pro nobis peccatoribus,
   nunc, et in hora mortis nostrae.
   Amen.

   めでたし聖寵充ち満てるマリア
   主御身とともにまします
   御身は女のうちにて祝せられ
   御胎内の御子イエズスも祝せられたもう。
   天主の御母聖マリア
   罪人なるわれらのために
   今も臨終のときも祈りたまえ
   アーメン

この祈りの言葉に、古今東西多くの作曲家たちが曲をつけてます。アヴェマリアといえば、シューベルトやグノーの曲も有名ですよね。シューベルトの場合は、この言葉からの作曲ではなくて、イギリスの詩人・ウォルター・スコットの長編詩「湖上の美人」(大好き♪)から作られた曲なので、また違うのですが、グノーの「アヴェマリア」の歌詞はこれです。同じように宗教的な意味合いを持つ13世紀の詩「スターバト・マーテル」には600人以上の作曲家が曲をつけたと言われているそうですが、こちらは一体何曲ぐらいあるんでしょうね。

作曲家が違えば曲が違ってくるのはもちろんなんですけど、やっぱり本当に全然違っていて、いろんなアヴェマリアが聴けたのがとても楽しかったです。特に良かったのは、8声のアヴェマリアかな。声部が増えるとそれだけなにか広がる気がしますね。歌う方にしたら音をとるのが大変そうな気がしますが~。

YouTubeで見つけてきました。こんな曲。

   

ということで、また公演がある時はぜひ行きたいなという団体さんでした。素敵だったな~☆



2012年06月02日

エフゲニー・ボジャノフ

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エフゲニー・ボジャノフ兵庫芸術文化センターで行われたエフゲニー・ボジャノフのリサイタルに行ってきました。

曲目は
  ショパン: 舟歌 嬰ヘ長調 op.60
  ショパン: ピアノソナタ第3番 ロ短調 op.58
  (休憩)
  シューベルト: 12のドイツ舞曲(レントラー) D.790
  ドビュッシー: レントより遅く(ワルツ)
  ドビュッシー: 喜びの島
  スクリャービン: ワルツ 変イ長調 op.38
  リスト: メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」 S.514

アンコールは
  ショパン: 華麗なる大円舞曲 op.18
  シューベルト=リスト: セレナーデ
  ショパン: 英雄ポロネーズ Op.53

エフゲニー・ボジャノフは、今28歳(だったかな?)のブルガリア人ピアニスト。2008年にロシアのリヒテル国際ピアノコンクールで優勝、2009年にヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで入賞、2010年にはエリザベート王妃国際ピアノコンクール2位、同年のショパンコンクールでは4位… などの実績が華々しい若手ピアニストさんなんですけど、実は私はそれほど知らなかったんです。でもネット上ではこの「ボジャ」が結構な評判になっていて、なんだかとても面白そう。これは一度聴きに行ってみるかなあ、と。すみません、そんな動機で。
彼が芸術文化センターで演奏するのは、確か2回目。去年、佐渡裕さんとベルリンドイツ交響楽団の公演のソリストに抜擢されて、全国ツアーを行っていたんですね。その時のチケットは軒並み売り切れだったし、評判も良かったはず。その時にファンになったらしき方も客席に大勢いました。(要するに上品なおばさま方が多かった)

で、今回のリサイタルなんですが。
最初は客席から聞こえる咳が気になって気になって… もうほんとなんでみんなあんなにおおっぴらに咳をするの?!って思っちゃうほど、あっちからもこっちからも。咳だけでなく鼻をすする音まで。今回私の席が舞台から遠かったこともあって、もう気になって気になって全然集中できなかったですよ… ショパンの舟歌はすっかり邪魔されてしまって本当に残念。ようやく集中できるようになったのは、ショパンのピアノソナタの第2楽章辺り。でもこの第2楽章のスケルツォの部分が、本当に羽のように軽やかで素敵でした。音もとても綺麗。なだらかに第3楽章に入っていく部分もすごく好みだったし、第4楽章もハジけててカッコ良かった。佐渡さんに選ばれるだけあって、全体的に動作が大きくてエネルギッシュな印象なんですけど、そのエネルギッシュさが単なるパフォーマンスじゃないのがいいですね。体内のパワーが有り余ってるからピアノでこまめに発散しておかないと後が大変、って感じはしましたが。(笑)

後半はシューベルトのドイツ舞曲から。この曲を聴いたのは初めてだったんですけど、これがとても可愛らしい曲集。なかなかいいですね、これ。すっかり気に入ってしまいました。続くドビュッシー2曲も良かった。「レントより遅く」はやっぱりいい曲だ~。また練習したくなっちゃいましたよ。ボジャノフの音の綺麗さがすごく生かされてました。アンニュイな魅力で、とっても大人なドビュッシー。そして「喜びの島」も大人なドビュッシー。「レントより遅く」では終始紗がかかっているような色合いだったんですが、こちらは時折その紗がめくれあがって下の鮮やかな色彩が覗いてくる感じ。私は今回のリサイタルでは、このドビュッシーの2曲が一番好きだったです。(というのは、我ながらちょっと意外でしたが)
スクリャービンのワルツもシューベルト同様初めて聴いたのですが、素敵な曲ですね。この方、ガタイがいいお姿からは意外ですが、実はワルツ(舞曲)系がお似合い?
そして、リストのメフィストワルツは普通の演奏とは少し違う感じ。よく耳にするメフィストワルツよりもゆったりと始まり、結局最後までテンポは微妙に遅めのまま。でももちろん盛り上げるところでは十分盛り上がってドラマティック。日頃耳にするのは腕試しのようにすごいテンポで弾き切る演奏が多いので、なんだかとても新鮮でした。そんなメフィストワルツで盛り上げてきたところに、アンコールでまた畳みかけるように盛り上げて。英雄ポロネーズを弾き終えた時の拍手がすごかったです。

日本では6公演あって、芸術文化センターのはAプログラム。Bプログラムはベートーヴェンのピアノソナタ18番、ショパンのマズルカとワルツを3曲ずつ、リストの「エステ荘の噴水」「ダンテを読んで」「オーベルマンの谷」「歌劇「ファウスト」からのワルツ」という曲目。私はAプログラムで十分満足でしたが、ファウストのワルツだけは聴いてみたかったですねえ。きっとボジャノフの魅力炸裂!なんでしょうね。すごく似合いそうです。



2012年05月23日

アレクサンダー・ロマノフスキー

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アレクサンダー・ロマノフスキー去年のチャイコンで私が応援してたロマノフスキーさんが来日。でもこちらにまではいらっしゃらないのねーーー。(悲)
ということで、なんと!東京まで遠征してしまいました、私。
アレクサンダー・ロマノフスキーさんは1984年ウクライナ出身、イタリアで育ち、イギリスでもピアノの勉強をされたというピアニストさん。ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」のいい演奏を探していた時に教えてもらって聴き始めたのが、私にとっての出会いです。今回は全部で3回の公演があり、19日に読響とのコンチェルト、21日と22日にリサイタルという日程。
 
 
5月19日(土) 「第144回オペラシティ・マチネーシリーズ」
 指揮:篠崎靖男 読売日本交響楽団
 ピアノ:アレクサンダー・ロマノフスキー

 曲目は
   ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
   (休憩)
   ブラームス: 交響曲第2番ニ長調 op.73

 ピアノ協奏曲の後のアンコールは
   ショパン: ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作
   スクリャービン: エチュードop.8-12「悲愴」

ラフマニノフのピアノ協奏曲は、出だしのあのピアノの音からとても期待させてくれたんですけど、ちょっとオケの音が大きすぎました… 1階の後ろの方という座席の関係も大きかったのだろうと思うのですが、ピアノの音がかなりかき消されてしまって残念。オケの演奏自体も、もう少ししなやかな感じを期待してたんですが、私のイメージよりも太いというか何というか。オケの合間に聴こえてくるピアノの音はとても綺麗だったし、ロマノフスキーさんの演奏自体はとても良かったと思うだけに残念。指揮者の思う「ラフマニノフのピアノ協奏曲2番」と、ピアニストの思う「ラフマニノフのピアノ協奏曲2番」が、若干乖離していたのかもしれないですね。
アンコールはショパンとスクリャービン。アンコールはあまり弾いてくれない方なんだろうな、せいぜい1曲だろうな、なんて勝手に思っていたら2曲も弾いてくれてびっくり。嬉しい!
 
 
5月21日(月) 武蔵野市民文化会館小ホール
曲目は
  ベートーヴェン:ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲ハ長調 Op.120
  (休憩)
  ブラームス: パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 第1巻・第2巻

アンコールは
  ショパン ノクターン第20番嬰ハ短調 遺作
  スクリャービン エチュード op.8-12 「悲愴」
  バッハ/ユシュケヴィチ 管弦楽組曲第2番より「バディネリ」
  ラフマニノフ 前奏曲第5番ト短調 Op.23-5

この日は前半にベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」を、後半にブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」をそれぞれ全曲というなんとも斬新なプログラム。変奏曲好きのロマノフスキーさんらしいプログラムです。私としてはディアベリが聴けるのがすごく嬉しかったんですが、この曲って、基本的にそれほどリサイタルで弾かれる機会がない曲ですよね? 確かアンデルシェフスキさんも弾いてらっしゃったと思うのですが、その時はどんなプログラムだったんでしょう? こういう実験的なプログラムを組めるのも、この会場ならではという感じがします。ここの会場はそれほど大きくはないのですが、コレという音楽家の方を連れてきて、しかもチケットを完売させるというスゴ腕のスタッフさんがいらっしゃるみたい。地元の方にもとても親しまれているようで(外れがないのだろうと予想)「アレクサンダー・ロマノフスキーって、わたし知らないんだけど」なんて声も会場で聞こえてきました。ディアベリを聴くのもこれが初めて、なんて方も結構多かったのではないかと。

私としては初めての生音(協奏曲はオケがあるからまた別という意味で)にワクワクしていたのですが、最初なかなか音が立ち上がらなかったように思えたし、ご本人もじれてらしたように見えました。客席も指もまだまだあったまってない状態で、この1時間もかかる曲をいきなりぶつけるのってやっぱり難しいものなんだ… と、聴きながらやきもき。でも演奏は途中から尻あがりに調子が良くなっていって、ほっと一息。
いつもディアベリのCDを聴く時は最初から最後まで流して聴いてしまうんですけど、この日はプログラムにせっかく全33曲の発想記号(?)が書かれていたので、それを参考に1曲ずつちゃんとチェックして聴いてみました。こういう聴き方も楽しいですね~。細かい感想は色々とあったんですけど、ほとんど忘れてしまったので1つだけ。フゲッタとフーガの「追いかけて追いかけて」がすごく楽しかったんですよね。バッハの「バディネリ」のピアノ編曲はご本人のサイトにも動画がアップされてるし、ご自分の猫がバッハ好きだとインタビューで仰ってたし、15歳の時にバッハの「ゴルトベルク変奏曲」の演奏によってボローニャのフィルハーモニー・アカデミーの会員に任ぜられるという栄誉に浴してらっしゃるようなので、バッハに親しんでらっしゃるのはもちろんなんですけど、これは絶対バッハがとーっても好きな方に違いないです。もっといろんなバッハを弾いていただきたいなあ。(…あ、バッハ好きだと変奏曲好きになりやすいのでしょうか? 私を含めて、私の周りでバッハが好きなピアノ弾きさんって大体変奏曲好きな気がします… わ、新発見! ←大袈裟)

後半のブラームスでは、前半序盤の不調もどこへやら、もうすっかり音もガンガン鳴っていて、チャイコンで聴いたあのブラームス。かっちりと組み立てられているCDの演奏とは少し違って、ちょっと流されちゃってる印象もあるんですけど、きっと生ではこういう弾き方で、と決めてらっしゃるんでしょうね。ディアベリとの対比も際立ってたように思います。こちらの曲は迫力もあるし派手だし、観客を否応なく巻きこんで魅了していたように思いました。一旦始まったら、もうあっという間だった~。
アンコールは鳴りやまない拍手に応えてなんと4曲。大サービスでびっくり。ショパンのノクターンは19日のよりもずっと良かったです。ものすごく情景が広がっていく演奏。この日はバッハのバディネリも弾いてくれて大興奮だったし、ラフマニノフの前奏曲の第5番もすごかったです。(でも私が自分で弾くのは諦めた方が良さそうと思いました 笑)
 
 
5月22日(火) 紀尾井ホール
曲目は
  ハイドン: ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob XVI-52 
  ブラームス: パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 第1巻・第2巻
  (休憩)
  ラフマニノフ: 練習曲「音の絵」Op.39 より
          第1曲ハ短調、第2曲イ短調、第3曲嬰へ短調、第5曲変ホ短調「アパッショナート」
  ラフマニノフ: ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.36(1931年改訂版)

アンコールは
  ショパン: ノクターン第20番遺作
  スクリャービン: エチュードop.8-12「悲愴」
  バッハ/ユシュケヴィチ: 管弦楽組曲第2番より「バディネリ」

この日のプログラムは「来た来た来た…!」というプログラム。前半はハイドンとブラームス、後半はラフマニノフ尽くし。
ハイドンは粒の揃った綺麗な音がコロコロと転がり、あくまでも古典派ハイドンでありながら、現代的に感じられる部分もそこここにあって、とても素敵。第3楽章で左手がすっごく可愛くて好きなところがあるんですけど、そこが生で聴いても本当に可愛かったのがすごく嬉しい♪ ブラームスはいつものブラームス。超・超・超絶技巧だし、気位の高い狂気の伯爵夫人のように(誰)いつでも十分トリを取れる曲だと思うんですが、大トリではなく中トリだというところがロマノフスキーさんならではでしょうか。
というのはこの方のラフマニノフを聴けば、誰でも納得するのではないかと。チャイコフスキーの国際コンクールで受賞した「クライネフ賞」も、後で聞けば「ラフマニノフの最も優れた演奏に贈られる」賞だったそうですし、いやもう本当にすごかったです。ラフマニノフの気持ちがよく分かる、1つ1つの音までそれぞれの意味が分かる、と仰っていたのは全然大袈裟じゃないと思う… というかむしろちょっとヤバいぐらいだと思う… この方の弾くラフマニノフは、他人の曲を弾いてる感じがしなくて、まるでその場で音楽を創り出しているみたい。すっかり魂が乗り移ったラフマニノフ。演奏後は、さすがのロマノフスキーさんも燃え尽きていたように見えました。

今回のお土産アンコールのショパンのノクターンとスクリャービンのエチュードは、これで3回目。そして前日に引き続きのバッハのバディネリ。この日の演奏は、前日の若干急いてる感じがなくて良かった~。
でも本当はアンコールなんかなくてもいいぐらいだったかな。あのラフマニノフで終わっても良かったかも。まあ、バディネリはいつでも大歓迎ですけどね。満ち足りて幸せな気分になれるから♪

ということで、大変濃密な3日間(滞在は4日間)でございました。左の写真は今回のロマノフスキーさん関連のモノたち。なんとコンサート会場で6枚入りのブロマイドセット(?!)が売られていてびっくりですよー。そんなことをされるピアニストさん、他にいるでしょうか! 別に私、顔目当てのファンってわけじゃないんですけど! つい買ってしまいました。だってサイン用の CD 持ってきてなかったんですもの…

これが終わってしまったら、後は何を楽しみに生きていけばいいの? という状態で帰ってきたんですが、やっぱりこの余韻でまだしばらくは生き延びていけそうです。ふふ。



2012年04月27日

アレクサンダー・ルビャンツェフ

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西本智実指揮 ベラルーシ国立交響楽団シンフォニーホールで行われた西本智実指揮 ベラルーシ国立交響楽団のコンサートに行ってきました。元々のお目当ては去年のチャイコフスキーコンクールに出場していたアレクサンダー・ルビャンツェフくん。でも西本智実さんの指揮もどんな感じなのかな~と、とても楽しみにしてました。

曲目は
  リムスキー=コルサコフ: スペイン奇想曲
  ラフマニノフ: ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30
  (休憩)
  プロコフィエフ: 古典交響曲 第1番
  ストラヴィンスキー: 組曲「火の鳥」

ピアノ協奏曲の後のアンコールは、どちらもルビャンツェフくんの自作。
  ルビャンツェフ: リング・ダンス
  ルビャンツェフ: タランテラ

そしてコンサートの最後にオケが1曲。
  ブラームス: ハンガリー舞曲第5番 嬰へ短調

ルビャンツェフくんについてはこちらが詳しいんですが。
2007年のチャイコンでは3位だったのに2011年では2次落ちで、結果に不満な聴衆が騒いだりして。(前回のコンクールで既に固定ファンが!)
まあ、私としても注目していた1人だったので残念ではあったんですけど、結果にはそれほど異論はなかったかな。
なんていうか、変なんです。変。何が変といえば演奏が。なんであの曲がこうなるの?状態。彼が弾くと、今まで聴き慣れていた曲が、また全然違う曲になっちゃう。でもだからイヤかといえばそうではなくて、なんだか楽しいんですよねえ。全然正統派ではないし、個性派にもほどがあると思うんだけれど、これはこれでいいかもと思ってしまう。多分演奏に愛嬌があるんでしょうね。きっと相当の不思議ちゃんなんだと思います。>ご本人
これはきっと生で聴いたらもっと良さが分かるんだろうな。と楽しみにしてました。
(でもチャイコンで聴いたドビュッシーは本当に素敵でした! 前奏曲の中から1曲だけだったのですが。ショパンが特別好きだという発言と実際のショパンの演奏から察するに、本人が好きな曲と適性にもギャップがあるのでしょう)

そして今日のコンサートなんですが。
西本智実さんは想像通りの佇まい。タカラヅカの男役的な凛々しさで、男装の麗人という言葉がぴったり。黒の刺繍入りのタキシード姿も素敵だし、指揮する姿もすごく切れが良くてかっこいい! そしてオケの演奏も良かったです。
第1部は「スペイン奇想曲」から。この曲、いいですねえ。楽しかったなあ。特に打楽器陣、その中でもカスタネットの人の手の動きに見入ってしまいました。(自分が実は打楽器好きだということに気付きつつある今日この頃) この曲、交響詩みたいに何か特定の物語があるんだろうと思いながら聴いてたんだけど、そうではないのかな?
そして本命のラフマニノフのピアノ協奏曲。…すごいね、これは… このテンポ設定はルビャンツェフくんの希望なのでしょうね… 常にテンポがやや遅め設定のルビャンツェフくんですが、これはまた… 彼が持つこの曲のイメージはロシアの大地を駆け抜けていく馬車だそうですが、全然駆け抜けてないし! むしろマターリ。長かった。私のイメージとしては、ロシアの母なる川・ヴォルガの流れ~~~(に浮かんだ木の葉)ってところでしょうか。(ヴォルガ川、見たことないんですけど)
西本智実さんはおそらく速めのテンポでぐいぐい押していくタイプの方だと思うので、これは少ししんどかったのではないかしら。オケも。聴いてる私にとっても、日頃聴きなれた曲が因数分解(?)されてしまったような印象がありました。ピアノの音はとても綺麗なんですけどね。
アンコールではルビャンツェフくん自作の2曲。タランテラ、すごいね! 指、よく回るんじゃん! というのは他の方々も思われたのでありましょう。この曲での拍手が一番大きかったです。

そして第2部はプロコフィエフとストラヴィンスキー。全体的にパリッとした小気味良さの目立つ選曲なのは、あのラフマニノフの存在があるからに違いないです。(笑) しかもアンコールはブラームスのハンガリー舞曲の第5番。ハンガリー舞曲のこの曲ってものすごく有名な曲だけど、改めて生の演奏、しかもオケバージョンを聴くことって案外ないですよねえ? よく知ってる曲をこんな風に聴くのって素敵。ノリが良くて後味の良いコンサートとなりました。



2012年04月12日

インゴルフ・ヴンダー

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いずみホールで行われたインゴルフ・ヴンダーくんのリサイタルに行ってきました。インゴルフ・ヴンダー

曲目は
  ショパン: ノクターン第3番 ロ長調 Op.9-3
  ショパン: ピアノソナタ第3番 ロ短調 Op.58
  (休憩)
  ショパン: 4つのマズルカ Op.24
  ショパン: ワルツ第2番 変イ長調 Op.34-1
  ショパン: ボレロ ハ長調 Op.19
  ショパン: アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調

アンコール
  スクリャービン: 練習曲 Op.8-12
  リスト: 死のチャールダッシュ
  ホロヴィッツ: 変わり者の踊り

インゴルフ・ヴンダーくんはオーストリア出身のピアニスト。2010年のショパン国際ピアノコンクールで2位となり、同時にコンチェルト賞や幻想ポロネーズ賞も受賞したのだそうです。私はショパンとは今一つ相性が良くないのでショパンコンクールは追ってなかったし、今回もオールショパンプログラムなのでどうしようかと思ったんですけど、偶然YouTubeで観た演奏がなかなかいい感触だったんですよね。で、ついうっかりと…(笑) 東京公演はオールショパンではなくて、モーツァルトなんか弾くんだよなーいいなー私もそっちの方が聴きたいなーなどと思いつつ。

今回の座席は最前列の右の方。実はいずみホールに行くのも初めてだったんですが、最前列なんて生まれて初めてですよ! でもこれがとても良かったです。ピアノの中から生まれた音が蓋に当たってキラキラと降ってくるような感じ。降り注いでくるまさにその下の座席でした。本当に。キラキラ。キラキラ。

そしてプログラムは前半も良かったんですが、休憩を挟んで後半の方が良かったです。
今回一番好きだったのは、意外なことにワルツ。ショパンのワルツなんて自分でもかなり弾いてるから全然新鮮味がないし、星の数ほどいるショパン弾きさんたちは自分の個性を際立たせるために結構演出しますよね。特にワルツみたいな曲はいろんな弾き方をされてると思うんですけど、それがまた苦手なことが多いんです、私。でもヴンダーくんのワルツの演奏は華やかな正統派。さすがウィンナーワルツ発祥の地であるオーストリア出身!と思ってしまったほど、本来の姿に立ち返ったような素敵な演奏でした。ショパンのワルツもいいものだなー、こんな素敵な曲なんだったら、もう一度さらい直してもいいなあー、なんて思ってしまったほど。
続くボレロも面白かったし(この曲、ちゃんと聞いたの初めてかも) 最後の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」もトリに相応しい演奏でした。…が、うん、やっぱり私はワルツだったなー☆
今回びっくりしたのは、ペダルを踏む時の音。普通ピアノを弾く人は、ペダルの音はさせないようにって習いますよね。ヴンダーくんのペダルの音はペダルを踏んでるというよりも、何やらダンスでアクセントとなるステップを踏んだ時の音みたい。本来なら煩いはずの音なのに、これがまた曲のアクセントとなっているように聞こえて、それが意外なほど楽しかったです。

アンコールも良かったですよー。3曲ともそれぞれに良かった。あ、リストの「死のチャルダーシュ」は東京のプログラムで弾くようですね。東京のプログラムはモーツァルトのピアノ・ソナタ第13番、リストの「死のチャルダーシュ」と超絶技巧練習曲から「夕べの調べ」、そしてショパンのソナタ3番とアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズだそうで… そっか、それならモーツァルトを逃しただけか。(リストの超絶技巧にはそれほど興味がない) 東京ではあのワルツが聴けないんだね。なんて。いや、ワルツはアンコールで登場しそうですが。
オールショパンプログラム、どうなることかと賭けをするような気分で行ってきましたが、思ったよりも満足度の高いリサイタルでした。ショパンでもいいからCDを買うぞ!というところまではいかなかったけど、今後の活躍を暖かく見守っていきたいと思います。12月の京都のにも行こうかなー。
ヴンダーくん、それほどハンサムさんとは思わないんですけど(というか若い割にちょいおっさ(ry)、観客席を見渡しながらの嬉しそうな笑顔がとっても素敵なんですよね。時々何か呟いていたようなんだけど、あれは何を言ってたんだろうー。アンコールの曲のために座る時にちらっとのぞく悪戯少年ぽい表情も可愛かったです♪



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