2011年10月30日

ヤン・リシエツキ

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Jan Lisieckiシンフォニーホールで行われたヤン・リシエツキくんのコンサートに行ってきました。
…とは言っても、ご存知ない方が多いのではないでしょうか。という私もつい最近まで知らなかったんですけど、You Tubeでバッハの演奏を見たら素敵だったので、値段が安かったこともあって行ってきてしまいました。まだ16歳の可愛い青年です。詳しい紹介はコチラ

曲目は
  J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第2巻第14番 前奏曲とフーガ嬰へ短調
  ベートーヴェン: ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 Op.78
  リスト: 3つの演奏会用練習曲 S144
  メンデルスゾーン: 厳格な変奏曲 ニ短調 Op.54
  (休憩)
  J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第2巻第12番 前奏曲とフーガへ短調
  ショパン: 12の練習曲 Op.25

アンコールは
  ショパン: ワルツ第7番 Op.64-2
  モーツァルト: トルコ行進曲

前半も後半もバッハから始まるのが印象的なプログラム。そしてこのバッハがとても良かったです! 純粋で静謐で、少し悲しくて、祈りがこめられているようなバッハ。リシエツキくんの透明感のある音がすごく曲に合っていて、曲の良さが生かされてるなあという感じ。すごく素敵でした~。プログラムに載ってるインタビューによると、彼はバッハがとても好きで、クラシック音楽の原点に戻るという意味からも、バッハから始めるプログラムが好きなのだそうです。前半はバッハからベートーヴェンのソナタへ。嬰へ短調から嬰ヘ長調という流れもとても自然で良かったですねえ。
後半のバッハの後はショパンのエチュードOp.25の12曲。これがまた個性的なショパンで! テンポの取りかたとか表情付けとか、今まで聴いたショパンのエチュードのどれともまた違っていました。特に10番のロ短調から11番木枯らし、12番の大洋という流れはもうすごい迫力!
そしてアンコールのショパンのワルツもすごく良かったです。特に転調する辺りがものすごく素敵でした。ええと、私にはショパンのエチュードよりもこっちの方が響いてきたかも。エチュードの演奏を聴いても「やっぱり私もショパンが弾きたい!」にはならなかったんですけど、こっちのワルツはちょっとその気になりそうなぐらいだったし。(どういう基準だ)

このリサイタルは、東京の音楽事務所アマティによる「プロジェクト3×3」という企画。コンクールではなく一般の聴衆に聴いてもらって若手を育てようと今年から始まった企画で、同じ奏者が東京と大阪と名古屋で3年続けて演奏するのだそうです。そして今年、韓国のヴァイオリニスト・パク・ヘユン、フランスのピアニスト・リーズ・ドゥ・ラ・サール、日本のヴァイオリニスト・三浦文彰の3人が既に演奏を終え、今日のヤン・リシエツキくんが4人目。東京ならまだしも、大阪で若手の音楽家でお客さんを呼ぶのは相当大変だろうと思うのですが、こういう企画っていいですね。応援したくなっちゃいます。

ええと、先日東京のオペラシティで行われたリサイタルはかなりがらがらだったと聞いて、それじゃあ大阪は尚更なんじゃ…?と心配してたんですけど、実際にはそれほどでもなかったです。2階席はあまり人がいませんでしたが、1階席は思ったより埋まっていて、ガヴリリュクくんの時と同じぐらいだったような。いや、やっぱりもう少し少なかったかしら。来年は9月30日にシンフォニーホールでリサイタルともう決まっているようなので、都合さえ合えば、また聴きに行こうかなと思ってます♪



2011年10月20日

キーシンリサイタル

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Evgeny Kissinエフゲニー・キーシンのリサイタルに行ってきました。オール・リスト・プログラム。

曲目は
  リスト: 超絶技巧練習曲 第9曲 回想
  リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調
  (休憩)
  リスト: 詩的で宗教的な調べより「葬送」
  リスト: 巡礼の年第1年より「オーベルマンの谷」
  リスト: 巡礼の年第2年補遺「ヴェネツィアとナポリ」より
   「ゴンドラを漕ぐ女」「カンツォーネ」「タランテラ」

 アンコールは
  リスト: 愛の夢3番
  シューベルト/リスト: ウィーンの夜会
  シューマン/リスト: 献呈
  ショパン: 幻想即興曲

子供の頃にピアノを習っていた頃はリストが好きだったのですが、でも聴いていたのは「愛の夢3番」とか「ハンガリー狂詩曲」、「ラ・カンパネラ」など、ごくごく有名なラインナップが中心。ええと、「超絶技巧練習曲」も聴いていたのかな。「愛の夢3番」と「ハンガリー狂詩曲2番」の2曲はレッスンで習ったこともあります。でも「愛の夢」はともかくとして、「ハンガリー狂詩曲2番」が当時の私(高3でした)に満足に弾きこなせたはずがなく。(笑)
その頃は「巡礼の年」のような思索的な作品は全然知らなくて、有名な「エステ荘の噴水」も、「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ 」や「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」も、知ったのも大人になってからでした。だから私が知ってるリストって、リストのほんの一面だけという感じで、結局あまりちゃんと知らないんですよねえ。
本当はリサイタルで初めての(もしくはあまり知らない)曲を聴くというのも結構好きなんですが、今回は珍しくちょっと予習しましたよ。超絶技巧の9番はラザール・ベルマンとクラウディオ・アラウのを持っていて、ピアノソナタはマルタ・アルゲリッチ、「葬送」はホルヘ・ボレット、「巡礼の年」はラザール・ベルマン。あ、「ゴンドラを漕ぐ女」だけはヴィルヘルム・ケンプもあります。聴かないといいつつCDは持ってるんだな、私。

でも実際の演奏が始まってみると、もうそんなのふっとんじゃいました。私が持ってるキーシンのCDって、シューマン3枚組とバッハ/ブゾーニのシャコンヌが入ってるのぐらいなんですけど(その程度で、そんな値段の高いリサイタルに行くのかって言わないでーー) 生のキーシンの演奏は、CDから想像していたのとはまるで違いました。ものすごい骨太の演奏なんですね。すごく男性的。これでもかというフォルテッシモが連発してびっくり。もちろんピアニッシモも美しいのですが、ダイナミックレンジというのでしょうか、その幅の大きさに圧倒されてしまいました。特に良かったのはリストの「葬送」。こんなにもスケールの大きい曲だったのですね。よくピアノは1人でオーケストラなんて言われますけど、本当に1人でオーケストラになってました。音量的にも全然負けてないのではないかしら。ものすごい迫力で鳥肌が立ちましたよ。(いや、CDのボレットの演奏もすごく良かったと思うんですけど、やっぱり生の迫力には負けますよね)
曲が終わるたびに、満員の場内は熱狂的な拍手。アンコールが始まってからは曲が進むにつれて立ち上がる人が増えていって、ブラボーも飛ぶ飛ぶ。そんな場内を、キーシンは考え深げに見渡しているようでした。先日、来日インタビューも見て、実はとても思索的な人なんだなあと思っていたのですが、本当にそれを裏付けるような感じ。そして舞台背面の席の観客にも毎回丁寧におじぎをしていたのが印象的でした。紳士だなあ♪
多分本当はアンコールもリストでまとめるつもりで3曲用意してたんじゃないかな? 観客の熱意に負けて、「幻想即興曲」も弾いてくれたのかもしれないですねー。

やっぱり生の音の迫力はすごいな、と実感したリサイタルでした。いや、やっぱり色々聴いてみないとダメですね。(そうやってるうちに、耳も少しは肥えてくれるといいなー)



2011年10月09日

アシュケナージ父子のピアノデュオ

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Ashkenazyウラディーミル・アシュケナージと、その息子ヴォフカ・アシュケナージのピアノデュオリサイタルに行ってきました。
やっぱりアシュケナージ人気はすごいですね。今年何度かシンフォニーホールに足を運びましたが、こんなに席が埋まっていたのは初めて。それでもお隣に座られたご夫婦は「まだあいてるねえ」「やっぱり大阪はダメね、席が埋まらない。だから素通りされちゃうんだわ」なんて会話を交わしてらっしゃいましたが。
でもC席D席は完売だという話だったし、A席も見渡したところ全然空席はなかったです。若いお嬢さんから親子連れ、年配のご夫婦までとても幅広い客層。

ええと、私自身はアシュケナージのファンというほどではないのですが(申し訳ないです… シューマンの演奏はとても好きなんですけど) ピアノデュオのリサイタルというのにとても興味があったので! 行ってきましたよ。74歳という年齢から考えても、アシュケナージの生演奏を聴く機会なんて今後それほどあるとは思えないですしね。プログラムに、演奏よりも指揮活動をメインに置くようになった理由が書かれていました。元々それほど手が大きくなく、それほど指も広がらなかったアシュケナージにとって、増やさなければいけないレパートリーのほとんどは指をとても広げなければならないものばかり。若い頃はそれでもちゃんと演奏できていたけれど、年をとってくるとその無理もきかなくなってきたのだそうです。今やすっかり指が曲がってしまっているのだとか… 涙。(それでもピアノの練習は欠かさないのだそうです) そんなことを知ってみると、今後はもうソロリサイタルなんていうのももう望めないかもしれないですね。行ってよかったですー。やっぱり貴重な機会だったなと思います。
ちなみに息子さんの「ヴォフカ」という名前は、実はお父さんと同じ「ウラディーミル」という名前を短くした形なのだそう。彼がピアニストとして活動を始めるにあたって、同じ名前のピアニストが2人いるとややこしいので、息子さんは短い名前の表記となったのだそうです。

曲目は
  プーランク: 2台のピアノのためのソナタ
  スクリャービン: 2台のピアノのための幻想曲 イ短調
  ボロディン/V.アシュケナージ編: 韃靼人の踊り(「イーゴリ公」より)
  (休憩)
  ラヴェル: マ・メール・ロワ
  ドビュッシー: リンダラハ
  ラヴェル: ラ・ヴァルス

アンコールは
  シューマン/ドビュッシー編: カノン形式による6つの練習曲より第4曲

最初のプーランクでは2人の音のバランスが今ひとつだったのか、それとも私の席の位置のせいなのか、結局のところ父子の格が違うのか、どうもお父さんの音の方が浮き彫りのように聴こえてくるなあと思ってたんですけど…(やっぱりアシュケナージ父の音は素晴らしく綺麗ですねえ) ボロディン辺りからはどちらがどちらの音なのか分からないぐらいに溶け合って聴こえてきて! 父子の息もぴったり。挑発的な2台ピアノというのも魅力的なんでしょうけど、こういう風に奇をてらうこともなく、自然体のデュオもいいですねえ。心地良いハーモニーを安心して楽しめるデュオでした。やっぱり親子ならではなんですかねえ。ほのぼの。

「だったん人の踊り」は息子のヴォフカの編曲。なかなか良かったです。きちんとした構成を知って聴いてみると、色々と見えてくるものですね。そして後半、特にラヴェルの「マ・メール・ロワ」が素敵で~。実は今まであまり好きだと思ったことのない曲集だったんですけど、いや、いいですねえ。ラヴェルの良さが初めて分かった気がしました。しかもきちんと演奏を聴いてみると、これはちゃんと物語になってるんですね。その時々の音やメロディで、何のお話をしてるところなのかはっきりと見えてくるのが素晴らしい。そして最後の「ラ・ヴァルス」は華やかに! この曲は「渦巻く雲の切れ目からワルツを踊る何組ものカップルが見える。雲は次第に晴れて、旋回する人々でいっぱいの大広間が見えてくる。舞台は次第に明るくなり、シャンデリアの光はフォルティシモで輝きわたる。1855年頃の宮廷」という文章がラヴェルの書いたスコアに記されていたのですね。知らなかった! そういわれてみると「なるほど」です。そういうのもすごく感じられて素敵な演奏でした。ピアノ独奏やオーケストラ版もいいけれど、2台ピアノ版が一番好き!

アンコールはシューマンのカノン形式による6つの練習曲より第4曲。帰り際にロビーで「えっ、シューマン?」「シューマンだったんだ…!」の声が多かったのが印象的だったなあ。(ねねっ、シューマンもなかなか素敵でしょ?)
アシュケナージ父のシルエットがおじいちゃんぽくなってるのが悲しかったですが、ピアノを離れた2人はとてもお茶目で~。素敵な親子なのでしょうね。そういうのが音によく現れているように感じられる素敵なリサイタルでした。



2011年07月01日

チャイコフスキー国際コンクール その6

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チャイコン、30日に終わっちゃいました。なので関連記事もこれが最後です。
本選は、アレクサンドル・ドミトリエフ指揮・ロシア・ナショナル管弦楽団でのピアノ協奏曲。2次審査とはまた違うオーケストラと指揮者です。最後の5人がそれぞれチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番と任意の1曲を演奏しました。

ロマノフスキーさんは、まずファイナル初日の1番手。チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番からだったんですが、残念ながらこれが不調。指揮者とオケの重さ、乗りの悪さ、粘っこさに足を引っ張られたまま、なかなか自分のペースを掴むことができないままミスタッチも多くて、モーツァルトのピアノ協奏曲の悪夢再び…? もしや意図的に意地悪されてる…?! と一時はそこまで思ったのですが、3楽章に入った頃からちょっとふっきれたのか、それとも開き直ったのか、オケに合わせ過ぎることなく、かといって外れ過ぎるわけでもなく、少しずつ自分の調子をを取り戻しましたよ! …でもやっぱり1・2楽章の不調が痛かった。その後ソンジンくんのラフ3を経て、その日最後はトリフォノフくんで再びチャイコフスキーのピアコン1番。これがもう本当に素晴らしい演奏で! 指揮者もオケもすっかり乗ってきてるし! さっきは一体なんだったのよー状態。もちろんトリフォノフくんにはあの指揮者やオケを上手く乗せることができて、ロマノフスキーさんにはそれが難しかったということなんでしょうけど… やっぱり1番手というのもありますよね。ファイナル前に一度順番をシャッフルし直して欲しかったわー。

でもファイナル3日目のラフマニノフのピアノ協奏曲3番の方は素晴らしかった…! この日も最初の演奏だったんですが(そんなんばっかりだ)、この日はチャイコン1番の日とは全然違いました。最初から自分のペースで自分の音。オケを引っ張る引っ張る。そして音が本当に綺麗で! すっかり引き込まれましたー。指揮者もオケもすっかりロマノフスキーさんのペースに引っ張られて、今回はすごいいい感じ。多少鍵盤をひっかけても、そんなの全然気にならないぐらい。ラフマニノフのピアノ協奏曲は元々好きだけど、3番がこんないい曲だったなんて気がついてなかったよ。ロシアのラフマニノフ。大人なラフマニノフ。そう、私はロマノフスキーさんのこういう演奏が聴きたかったのよ! うわあ、2次のソロの感動再び!(感涙)

全部の演奏を見て1つ感じたのは、ロマノフスキーさんはとても長い時間をかけて自分のレパートリーを作り上げていく人なんだろうなということ。1次で弾いたハイドンのソナタは2001年のブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝した時の優勝者リサイタルのCDに入ってるし、パガニーニ・バリエーションや、2次のシンフォニック・エチュードは、CD録音した曲だし。ラフ3だって既によそのオケで演奏してるし。1次のチャイコフスキーの曲や2次のラフマニノフのソナタはCDには入ってないですけど、これもきっと長い時間かけて完成されてきたものなんだと思います。モーツァルトやチャイコフスキーのピアノ協奏曲で若干不調だったのは、その時間が足りなかったのではないかしら、と思ったりしました。才能もすごくあるんでしょうけど、基本的に努力の人なのかも。

他のファイナリストにも触れておくと…
チャイコフスキーのピアコン1番が好調だったトリフォノフくん、リハ映像を見た時はどうなることかと思ったショパンですが、本番では打って変わった出来栄えで!(リハの時もう全然どうにもならなくて、トリフォノフくん明らかにショックを受けて表情もものすごく硬かったし、先生らしき人が指揮者に直接話しに行ったりしたりしてました) やっぱりこの人は指揮者やオケを乗せるのが上手い人なんですね。気持ち良く弾けたようで本当に良かった。
そしてチェルモフさんもなかなか良かったです。テクニック的には他の面々に劣るのかもしれないけど、ファイナルに残ったコンテスタントの中で唯一結婚して子供もいるからなのか、音にすごく温かみがあって素敵でした。包容力のある演奏。チャイコフスキーピアノ協奏曲1番も、これぞロシアという感じですごく良かったし、ブラームスのピアノ協奏曲1番も素敵でした。もっと練習する時間があればよかったのにね。でもあの深みのある音は魅力的。ブラームスの他の曲もぜひ弾いて欲しいな。
ロシア・ウクライナ勢に対して、韓国2人はメカニックなイメージ。指はものすごく回るし、恐るべき超絶技巧なんだけど… もっと1つ1つの音に彩りや深みが欲しかった。私にとっては、心が浮き立つような演奏ではなかったです。特にソンジンくんは、素直にピアノだけを弾いて生きてきたのでしょうか。もっと人生経験を色々積んだらいいかも! 先生に反抗とかしてみるのもいいかも! 本を読んだり映画を観たり、何か他のことをやってみるのもいいかも! そしてヨルム嬢はカプスーチンがとても良かったし、自分に似合うものが分かってる賢い人のようだから… それに素顔がとても可愛いって聞いたんですよね。男勝りのフォルテッシモもいいけど、そういうところがもっと演奏に出てくればいいのにね。(何様だ、私)

もう審査員が出した結果なんてどうでも良くなっちゃったんですけど、正式順位はこんな感じ。

  1.ダニイル・トリフォノフ(Daniil Trifonov -Russia-)
  2.ソン・ヨルム(Yeol Eum Son -South Korea-)
  3.チョ・ソンジン(Seong Jin Cho -South Korea-)
  4.アレクサンダー・ロマノフスキー(Alexander Romanovsky -Ukraine-)
  5.アレクセイ・チェルノフ(Alexei Chernov -Russia-)

いろんな大人の事情もあったんでしょうけど、その中で勝ち抜いたトリフォノフくん、おめでとう!!
そしてロマノフスキーさんは特別賞をもらいました。4月29日に亡くなったピアニストで名教師だったクライネフの名前を冠した賞です。

  Vladimir Krainev Award:アレクサンダー・ロマノフスキー(Alexander Romanovsky -Ukraine-)

コンクールの結果も確かに重要ですが、でも実際にはただの通過点というかスタート地点にしか過ぎないし、それよりもこれから先活躍していけるかどうかが重要ですよね。一時もてはやされても、その後に続いていかなければ全然意味がないし。ファイナリストが今後それぞれに成長して活躍してくれるのを祈るばかりです。

今晩のガラコンサートで、ロマノフスキーさんはショパンのノクターンを弾くそうです。トリフォノフくんはショパンチャイコフスキーのピアノ協奏曲2・3楽章ですって。チェルモフさんは何を弾くのかな~。(上位入賞者だけだったらしく、チェルモフさんの出番はありませんでした… 残念)

*****

 
それはともかくとして。今回色んなピアニストに出逢えてものすごーく楽しかったです。結局のところ、コンクールの醍醐味ってこれですね。気に入ったピアニストさんを見つける、今まで知らなかった素敵な曲を知る、既に知ってた曲の新たな魅力を知る♪
始まった時点ではロマノフスキーさん以外は全然知らない状態だったんですが、コパチェフスキーくんにも出会えたし! 彼はきっとこれから先、着実に演奏家としての道を歩んでいってくれると思いますし、彼のラフ2を聴く機会もまたあるはず。親日家のようなので、日本でもどんどんリサイタルをしてほしいな。トリフォノフくんは既に人気者で、ファンがいっぱいいるし、演奏も素敵だし、心配いらなさそう。作曲もするそうだし、指揮もしたいようなので、そちらでもいずれ名前をあげていくのかも。50年後には彼の名前を冠したコンクールなんかができてたりして~。(笑)
1次で落ちてしまったグローモフさんにもぜひ頑張っていただきたいし。2次で落ちてしまったクンツくん、ルビャンツェフくんにも、まだまだ未来がありますしね。

今回、チャイコンの音源で繰り返し聴いたのは、まずロマノフスキーさんの2次。特にソロの方のシンフォニック・エチュードは素晴らしすぎます。1次のパガニーニ・バリエーションもすごく良かったんですが、2次のシンフォニック・エチュードはさらに…! 聴くたびに、最初の音から魂を持っていかれてしまうぐらい。モーツァルトのピアノ協奏曲も、その時は大騒ぎした割に後で聴き返してみるとなかなか素敵だったので(おぃ)、本選が始まってからですが、結構繰り返し聴きました。
コパチェフスキーくんの方もよく聴きましたよ。1次もよく聴いたんですけど、2次の方が多かったかな。彼のクライスレリアーナは、本当に素敵。

同じように素晴らしいと思っても、繰り返し聴きたくなる演奏とそれほど繰り返し聴きたくならない演奏の違いってどこにあるんでしょうね。もちろん「好み」だと言ってしまえばそれまでなんですが… 演奏される曲の好き嫌いというのももちろんあるでしょうし、聴き手側のその時ののコンディションも影響するでしょうし。先入観だってあるはず。でも、もっと何かありますよね。私の場合はどうやら、心を浮き立たせてくれるかどうか、みたいですが。とは言っても、それが何なのかは上手く説明できないのですが。紡ぎだされる1つ1つの音だけではなく、作り込まれた細部だけでもなければ綿密に構築された全体像だけでもなく、もちろん超絶技巧でもなく。でもそこに確かに存在する何か。そのピアニストでなければならない何か。

来日してリサイタルがあったら行きたいのは、やっぱりまずロマノフスキーさんとコパチェフスキーくん。ぜひ来日して、関西にも来てほしいですー! CDも出してー! 買うからー!
そして↓のは、左がロマノフスキーさん、右がコパチェフスキーくんです。2人ともすごく手が大きいみたいですね。指が長くて、弾いてる時の動きがすんごい綺麗で、見ているとうっとりします♪(手フェチです)

Alexander Romanovsky Filipp Kopachevskiy

ということで、そろそろ普通の生活に戻ります。いや、もうほんと楽しいお祭りでした。もう本当に終わってしまうのね。ロマノフスキーさんが上位を取れなかったことに、やっぱり寂しさと虚しさを感じつつ…(ああ、トリフォノフくんのファンだったら良かったのに、私)
どうもお騒がせしました。ぺこり



2011年06月26日

チャイコフスキー国際コンクール その5

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チャイコンのファイナルのスケジュールが出ていたので、それだけ更新しておきます。

 27日
  7:00 p.m. アレクサンダー・ロマノフスキー(Alexander Romanovsky -Ukraine-)
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
  7:50 p.m. チョ・ソンジン(Seong Jin Cho -South Korea-)
    ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
  (20分休憩)
  8:50 p.m. ダニイル・トリフォノフ(Daniil Trifonov -Russia-)
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

 28日
  7:00: p.m. ソン・ヨルム(Yeol Eum Son -South Korea-)
    ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
  7:50 p.m. アレクセイ・チェルノフ(Alexei Chernov -Russia-)
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

 29日
  1:00 p.m. アレクサンダー・ロマノフスキー(Alexander Romanovsky -Ukraine-)
    ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
  1:50 p.m. チョ・ソンジン(Seong Jin Cho -South Korea-)
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

 30日
  1:00 p.m. ダニイル・トリフォノフ(Daniil Trifonov -Russia-)
    ショパン 第1番 ホ短調 作品11
  1:50 p.m. ソン・ヨルム(Yeol Eum Son -South Korea-)
    チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
   (20分休憩)
  2:50 p.m. アレクセイ・チェルノフ(Alexei Chernov -Russia-)
    ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15

すごく変則的なスケジュールですね。
ここに書いてるのはロシア時間。日本時間は +5 です。だから初日は夜中の0時スタートとなります。
2曲続けて演奏するのかと思っていたのですが、そうではなくて1回に1曲ずつ。同じ曲が続かないように組んであります。そして休憩は基本的に中1日。トリフォノフくんだけ中2日。



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