2010年10月10日

調性のイメージ

Category : 楽典覚え書 | Comments (9)  

私の中の調性のイメージ、長調編。
前回の「和音の機能」の中の「Vはひきしまった男性的な感じで、IVはやさしい女性的な感じ」から発展して、それぞれの調のイメージを言葉と色に表してみました。自分で弾く時はともかくとして、聴く時にはあまり何調だというのを意識していないので(それってダメ?)、かなり限られたイメージとなってしまいうんですが… 調を意識するといえば、まずはバッハのインヴェンションやシンフォニア。そこに含まれてない調の場合、ちょっとイメージが掴みきれてないようなところがありますしね。(結局、バッハで育まれた部分が大きいらしいです・笑)
もちろん「これが絶対」というわけじゃないです。曲によっても、だいぶイメージが変わりますしね。そもそも、その作曲家がその調をどんな感じにとらえていたかというのに、印象は大きく左右されるはず。しかも1つの曲の中で全く転調しない方が珍しいんですものね。転調するたびに、また違った色合いになっていくわけで。

C dur … 明るい白 
  ニュートラルな感じ 
  あっけらかんとした明るさから、時には神々しさを感じさせることも

Cis dur(Des dur) … クリーム色 
  上品な華やかさ、ロマンティックさ

D dur … 黄色 
  輝かしさ、気高さ

Es dur … オレンジ 
  壮麗さ、雄大さ

E dur … 木々の緑 
  暖かさ、のびやかさ

F dur … 草原の緑 
  のどかさ、明るさ、喜ばしさ

Fis dur(Ges dur) … 水色 
  繊細なロマンティック、優美

G dur … 青 
  健康的な明るさ、若さ、日々の幸せ

As dur … 紫がかったピンク 
  しっとりとした大人っぽさ

A dur … 赤 
  明るさ、希望、華やかさ

B dur … 茶色 
  落ち着き、懐の深さ、安心感

H dur(Ces-dur) … ベージュ 
  成熟した優雅さ

んん~、面白いんだけど、やっぱり難しい~。本当は短調についても書こうと思っていたんですが、ここまでで力尽きました。(笑)

長調だけでも12あるわけですが、この中で一番受ける印象の範囲が広いかもしれないなと思ったのはC dur。小さな子が歌うような童謡は大抵C durで、とてもあっけらかんとした単純明快さを持ってることが多いですけど、でも考えてみれば、例えばバッハの平均律の1番のプレリュードも同じC dur。ショパンのエチュードのOp.10-1だってそう。ラヴェルの「ボレロ」も。…うーん、あんまり色んな例は出てきませんが、それぞれに受ける印象がまた全然違いますもんね。作曲家次第でそこに様々な色合いをつけることが可能だという意味でも、やっぱり白かなあって思います。もしかしたら、作曲する時に一番難しいのはC durなのではないかしら。
あとちょっと思ったのは、D durはキリスト教における天上の王(要するに神様ね)、Es durは地上の王の調なのかなあということ。あ、でもそれはとっても限られたイメージ(時代的に?)かもしれないですね。ヘンデルのメサイアのハレルヤコーラス(D dur)のイメージも相当強いかもしれないです。
一番迷ったのはG dur。「空の青」か「木の茶色」、どっちだろう? と未だに悩み続けてます。(笑)

こういう印象って、人によって全然違うんでしょうね。180度正反対!なんてこともあるのかも。という私が書いたこのイメージも、決して固定ではないですしね。新たに違う調の曲を、それと意識して弾くたびに聴くたびに、変わっていくんだろうと思います。(「変わる」というより「広がる」かも) それに、楽器によってもまた感じ方が全然違うのかも。私はピアノでのイメージしか持ってないけど、同じ鍵盤楽器でも平均律でなければ、それぞれの調にもっと強いイメージがありそうです。あと、その楽器の特性を生かした調というのもありますよね。ヴァイオリンならやっぱりD durの曲が多いでしょうし、それは宗教とはまた別の話なわけで。

今回はこんな風に調性のイメージを言葉にしてみましたが、私の中の本当のイメージとしては、音の1つ1つがそれぞれに1つずつの色の糸という感じかも。それらの様々な色合いの音が合わさって、1つの曲で1枚の大きな織物を作り上げてるというイメージの方が近いかもしれません。



2010年10月07日

和音の機能

Category : 楽典覚え書 | Comments (2)  

前回の続きです。前回は属七和音と減七和音と基本的な和音についてやったので、今回はそれ以外の和音について。なんで楽典を勉強するかといえば、結局のところ、アナリーゼができるようになりたいというのが一番大きいんですよね。なので、和声の基本となる和音に関する知識は欠かせません。

*****

 
和音の基本形…根音を最低音にした和音
 第1転回形…第3音を最低音にした和音
 第2転回形…第5音を最低音にした和音
 第3転回形…第7音を最低音にした和音

 転回形について書き表す時は、1や2、3といった数字をI~VIIの右上に小さく書く。
 基本形については何も記さない。

和音の重複…1つの和音の中で同じ音を2つ以上使用すること。
      根音を重複することが最も多い。
      同じ音度の音がいくつもあっても、それは1つとみなす。
和音の省略…和音の構成音の中のある音を省くこと。
      第5音を省略することが多い。

 和音の重複や省略によって、和音の性質や働きが変わることはない。
 導音は主音を支える重要な音であり、個性の強い音なので重複も省略もできない。

主要三和音の機能
 トニック…Tonic(英)
  I度和音(主和音)はあらゆる和音の中で最も安定した感じであるため
  曲の始めと終わりには必ずI度和音が使われる。
  どの和音にも進むことができる機能を、トニック機能という。
  副和音の中ではVI度もほぼ同じ機能を持つが、I度に比べると安定性は劣る。

 ドミナント…Dominant(英)
  V度和音(属和音)は不安定な状態なため、主和音(T)に進もうとする。
  属7の和音の場合は、さらにその性質が強くなる。
  この機能のことをドミナント機能という。
  I度和音がV度和音へ、そしてまたI度和音へというのが和声の基本的な原理。
  副和音の中では、VII度が属七の和音とほぼ同じ機能を持つ。

 サブドミナント…Subdominant(英)
  IV度和音(下属和音)も、V度同様不安定な状態であり
  主和音(T)、もしくは属和音(D)に進もうとする。
  この機能をサブドミナント機能という。
  副三和音の中ではII度がほぼ同じ機能を持つ。

 VもIVも不安定という意味では同じだが、その印象はだいぶ違う。
 Vは「ひきしまった男性的な感じ」、IVは「やさしい女性的な感じ」となる。

*****

 
この最後の、Vは「ひきしまった男性的な感じ」で、IVは「やさしい女性的な感じ」というのが面白いです。確かに、例えばC durの時のV(ソシレ)は明るくて健康的な外向きのイメージだし、IV(ファラド)は、もっと優しくて柔らかい感じがしますもんね。そういうのと関連して、調によって受けるイメージが違うとか、それぞれの調にイメージカラーがあるとか、そういう話も大好き。ちょっと前にどこかで面白いのを読んだんだけど… あれは何だったかしら。(うわーん、忘れちゃったよー)

次回は和声の進行についてやろうと思います。
でもね、この記事を書きながら、ふと面倒なことに気付いてしまいました… ブログでやろうとしても、きちんとした記号が書けないんですね。本当はローマ数字の右上とか右下とか上とかに数字やら何やら書かなくちゃいけないのに、それができません。右上はどの転回形なのか数字を書くだけなので省略するとして…(基本形の時は何も書かないわけだし) 右に数字を書く時は、全部右下の数字と思ってもらうことにして。(出てくる数字もあるんだけど、どうせ機種依存文字ですしねえ。それに右上・右下2つの数字を綺麗に入れるのはさすがに無理そう) 問題は上。確か借用和音の場合は、上にローマ数字を小さく書くんですよね。これはどうすれば? どんな風に表記すれば分かりやすいか考えておかなくちゃ。
というか、ブログではできないことが他にもいっぱいありそうですね… あらあらあら。



2010年09月29日

属七と減七の和音

Category : 楽典覚え書, 音楽的資料 | Comments (6)  

小学校の頃に習っていたピアノの先生のところは桐朋受験の生徒さんが多かったこともあって、ソルフェージュにも熱心だったんです。通常のピアノのレッスンとは別に、和音の聴音とか、先生が弾いた旋律を聴いて書きとるのとか、初見の楽譜で歌うのとか結構やりました。あまり覚えてないんですけど、楽典的なことも少しずつ教わっていたはず。あ、私の場合は、習い始めたその日に手をじーーっと観察された揚句「小指が短いからピアニストは無理。」と言われたんですけどね。(結構強烈ですね。うちの親は「近くの良い先生」を探しただけだったようだし、私自身も何も考えてなかったのでショックは受けなかったんですが、ものすごくびっくりしたので、今でもその時のことはよく覚えてます・笑) そして引っ越しのために中学から新たに習った先生(前の先生からの紹介)にも、しばらくの間は色々していただいてたんですけど… 音大受験という雰囲気がまるでない私のせいで、いつのまにかうやむやに… 結局、楽典をきちんと勉強したことがないまま、ここまで来てしまったんですねえ。
でも、「それじゃあいかーん!」ということで、ちょっと前から家で楽典やその手の本を読み始めてます。とは言っても、読んでるだけでは頭に入らない! どうしても間隔が開いてしまうので、前読んだところをすっかり忘れてしまーう。(年のせいだな)
なので、これからはここにメモしていこうと思います♪

私が今使っているのは、菊池有恒著「新版 楽典 音楽家を志す人のための」と島岡譲著「和声と楽式のアナリーゼ バイエルからソナタアルバムまで」の2冊。どちらもなかなか分かりやすい本です。それと辞典は「新音楽辞典」。あとはイタリア語やフランス語、ドイツ語の辞典も家に転がってるので、必要に応じて使ってみたりします。楽語としてよりも、普通の言葉として調べる方が好きなので♪ (イメージを掴みやすいので、頭にも入りやすいんです)

  

今回は、今ハノンでやっている属七和音と減七和音について。まずは辞典を引いてみました。

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属七の和音…dominant seventh chord(英)
属音上の七の和音。属三和音上に短3度を加えたもの。これと同形の和音は、音階固有和音としてはこれひとつしかない。そして同名の長・短調には共通する。その自然的解決といわれるのは主三和音に進むものである。

減七の和音…chord of the diminished seventh(英)
短調の第7度に立つ七の和音として普通に存在する和音だが、短3度の集積で、エンハーモニック転換によると、展開和音としての意義を生じない。したがって鍵盤上に3個の減七しか存在しない。

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んー、なんだかよく分かりません。(笑)
属七の方は、結局のところC7(シーセブン)とかG7(ジーセブン)のことでしょ? みたいな捉え方をしてたんですけど(これはクラシックではないけど)、それもちょっと違うみたいですね。長調も短調も共通? それに、減七なんて日本語の説明よりも英語表記の方が分かるような気がするし。(辞書には英語表記の他に独・伊・仏表記もあります) とりあえず、一番分からない「エンハーモニック」について調べてみると、これは「シのシャープ」と「ド」のような、平均律上の同音異名のことなんですね。そしてエンハーモニック転換(enharmonic charge・英)は、転調のもっとも重要な手段の1つとのこと。なるほど。…でも「エンハーモニック転換によると、展開和音としての意義を生じない」って一体ナニ?

よく分からないので、もっと基本に戻ってみることにしました。

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まずは音階構成音の名称から。
主音…tonic(英)(第I音)
   音階の基礎になる最も重要な音。(C dur の時の C)
属音…dominant(英)(第V音)
   主音の完全5度上にある音。主音を確定させ、調性を支配する重要な音。(C dur の時の G)
下属音…subdominant(英)(第IV音)
    主音の完全5度下にあり、属音と対照的な位置にある音。(C dur の時の F)
    主音と属音の機能を補助し、下行導音の機能も持つ。
導音…Leading tone(英)(第VII音)
   短2度上行して主音に進もうとする性質をもつ音。(C dur の時の H)
   属和音や属七の構成音である場合は、その作用が一層強くなる。

あとは中音(第III音)、下中音(第VI音)、上主音(第II音)があります。

そして和音。Chord(英)
和音とは…高さの異なる2つ以上の音が同時に響いた時に合成される音。
     重音、三和音、四和音、五和音など。

三和音…
 ある音(根音)の上に2つの音(第3音・第5音)を3度の間隔で重ねたもの。
 根音と第5音との間が5度となるため、五の和音とも呼ばれる。
 音階の各音は、それぞれに根音となってその上に三和音を組み立てることができる。
 音階の第1音(主音)を根音にする和音はI度和音、第2音以降は順にII和音~VII和音と呼ばれる。

 協和音…長三和音(長3度+短3度 CEG) 明るい感じ
     短三和音(短3度+長3度 CEsG) 暗い感じ
 不協和音…増三和音(長3度+長3度 CEGis) 膨張する感じ
      減三和音(短3度+短3度 CEsGes) 陰鬱な感じ

 主要三和音…I度和音、IV和音(下属和音)、V度和音(属和音)
 副三和音…II度和音、III度和音、VI度和音、VII度和音。

四和音(七の和音)…
 三和音の原形にもう1つ3度の間隔の音(第7音)を重ねたもの。
 根音と第7音との間が7度となるため、七の和音とも呼ばれる。
 属音上に形成された四和音は「属七の和音」と呼ばれる。
 属七の和音以外の四和音は「副七の和音」。
 副七の和音のうち「減三和音+短3度」の和音を「減七の和音」という。

 属七の和音…長・短調共に「長三和音+短3度」となる。
       調性音楽において重要な役割を果たす。
       属七の和音から主和音(V7→I)への進行を自然的解決という。       
       属七の和音以外の他の四和音を副七の和音という。
 減七の和音…副七の和音の中でも、特に短3度の積み重ねの和音を減七の和音という。
       何度回転させても、エンハーモニック転換によって再び減七の和音の原形となる。
       そのためエンハーモニック転調に利用される。
       「C+Es+Ges+A」「D+F+Gis+H」「E+G+Ais+Cis」の3種類。

五和音…
 七の和音の上にもう1つ3度(第9音)を重ねたもの。(九の和音)
 属音上に形成された五和音を属九の和音という。
 属九の和音は、長調の場合は長9度、短調の場合は短9度となる。
 4声体では第5音が省略される。

*****

 
短三度というのは半音3つ分だから、それが4つで完全八度(オクターブ)になっちゃう。だから結局3つしか存在できないというわけですね。ハノンの42番で7つのアルペジオ練習が載ってるけど、要するにこの3種類の使いまわし。ドビュッシーの全音音階が2通りしかないのと同じようなことですね。なるほど。

なんとなく分かったような気が~というレベルですが、とりあえず今回はこれでオシマイです。



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